カープダイアリー第8527話「田村俊介、初の対外試合その第1打席でバット一閃…中村貴浩、林、中村奨成も安打放つ」(2024年2月17日)

ロッテのマウンドには9年目右腕の東條。外角ボールのあと内角ストライク。2球見送った田村俊介のバット一閃…

土曜日、たくさんのファンで埋まったコザしんきんスタジアムのスタンドが沸き上がる。みんな“予感”がしていたのだろう。打球は文句なしの角度で放物線を描き、そのまま100メートルの右翼フェンスの向こうに着弾した。

が、ダイヤモンドを一周するその姿からは風格さえ滲む。体中で喜びを発散するようなことはしない。ベンチで出迎える新井監督もオーバーリアクションなし、だった。まだ始まったばかり。そうは言っても大喜びするのはファンの特権、メディアの扱いもどんどん派手になってきた。

前日のシート打撃では矢崎の初球、力のある真っすぐを打ち返して右越え二塁打。この日の対外試合チーム初戦でも初回、二死一塁の場面で“四番”に回り、またひと振り…だった。

新井監督、藤井ヘッド、朝山打撃コーチは一、二番にジェイク・シャイナーとマット・レイノルズを組み込み、三番以降に小園、田村俊介、坂倉、中村貴浩、久保修を並べる打順を組んだ。八番には韮澤、九番には林…

三回、田村俊介の第2打席も二塁打のジェイク・シャイナーを置いて回ってきた。この日一番大きな拍手が送られたが結果は快音を残しながらもセンターライナー。六回には先頭打者で制約なく振れたが外に逃げる変化球を空振りして三振に終わった。

6年目左腕の中村稔弥、紆余曲折あって121番を背負う8年目の土肥。ふたりの左腕からヒットは生まれず、これでタイミングが取りづらくなったのか、七回の二死一、二塁では東妻のストレート系をフルスイングしたものの打球は上がっただけ、だった。

五回の守備から出場した中村奨成は、六回の第1打席でフルスイングした打球が高々と舞い上がり、目測を誤ったレフト和田のアシストもあって三塁打。続く久保修は四球で一、三塁となって中村健人の打席の2球目でダブルスチール。ホームに滑り込んだ中村奨成は悠々セーフになった。

八回の第2打席でも強烈な中前打を放った96番には60番に負けない拍手が送られた。

中村貴浩は空振り三振と右前打、久保修は最後までグラウンドに立ち3の1、林も4打席もらって二塁打1本。

外国人勢ではジェイク・シャイナーが適時二塁打と打線の方は、まずは首脳陣の狙い通りの結果が出た。

投手陣は完封リレーで試合は4対0勝利。先発した黒原は3回2安打、無四球が収穫。二番手の玉村は真っすぐ、変化球とも安定感があり3回2安打で3イニング目は高部、中村奨吾、安田のクリーンアップから連続三振を奪った。

七、八回を投げた益田は途中で軌道が定まらなくなり無安打も2四球。九回の森浦も無安打ながらやはり2連続四球で課題がそのまま“温存”されている。


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