カープダイアリー第8595話「予告先発が左腕投手の時にスタメンに名を連ねることの意味」(2024年4月24日)

午後5時までには雨天中止の知らせが入り、カープナインにとっては都内での有意義な“休息日”となった。

コロナ禍によって選手たちの遠征先での時間の過ごし方も大きく変わった。だが、幸いにして今季はかなり自由度も増してきた。

そんな中、宇草はどんな夜を迎えたのだろうか?4月16日のDeNA戦(マツダスタジアム)で松本凌からライト前に2年ぶりのヒットを放ったのがきっかけになった。

翌17日のDeNAでも上茶谷から代打で左前打して19日の巨人戦(同)での代走を挟み、20日の巨人戦で代打ホームランをケラーからかっ飛ばした。150キロ前後の真っ直ぐにも対応したことで21日、ついに「一番レフト」でスタメンのチャンスが巡ってきた。その第1打席で高橋礼から中前打。第2打席もセンターフライで5回降雨コールドゲームの中にあってもきっちりアピールすることができた。

そして神宮球場で、またしても吉村の力のある真っすぐをライトスタンドに運んで見せた。対右投手なら宇草。今はそんな立場を確保しつつある。では、高橋奎が投げるあすのスタメンを首脳陣がどう組むのか?

前回、高橋奎と対戦した時(4月4日、マツダスタジアム)のスタメンは…

野間、菊池、小園、堂林、上本、中村奨成、久保修だった。

また、井上が先発した20日の巨人戦のスタメンは…

秋山、菊池、野間、堂林、ゾノ、上本、曾澤、久保修だった。

そうなると高橋奎にはまた秋山をぶつけるのか?どうなのか?それとも宇草が秋山に取って代わるのか?

秋山は今、強い危機感を抱きつつあるはずだ。1月に静岡県下田市で行った合同自主トレにも参加した宇草が今、バッティングにおける再現性に必要な要素をモノにしかけているから、だ。

もちろんそれはチームにとって嬉しいことではあるのだが、肝心の自身の打撃の調子の方がなかなか上がってこない。ここまで18試合で14安打、打率・237。出塁率も・286しかない。

宇草は相手の速いウイニングショットを引っ張ってスタンドに運んでいるが、秋山の場合はセンターから左方向へのヒットは出ても引っ張っていい打球というのは少ない。右方向の打球が飛ばない堂林とは、ちょうど反対の現象が起こっている。

シーズン200安打ですらクリアする、その卓越した打撃力には秋山なりの“理想形”がある。しかし「思った数字より遥かに届かなくなった自分」というものがチラつくようなことになれば、ライバルの台頭は脅威に変わる。

外野には野間もいて、さらには田村俊介がまだずいぶん下の方に位置するとはいえ、宇草のように何かをつかもうと懸命にバットを振っている。

新井監督ら首脳陣はそれもこれもひっくるめて、どの選手にも期待を込めてグラウンドに送り出そうとしている。先を見据えたチーム作りにおける選手間競争は、20試合を消化して今後、一気に激しさを増すことになる。

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