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一休
2021年11月25日 21:56
公爵家で暮らしで時折忘れそうになるが、“わたし”は王国と竜族から追放された両親の娘。コール公爵の後ろ盾があるにせよ、“わたし”を迎え入れることは王の右腕であるユリウス様には得にはならない。ユリウス様は困ったようにくせ毛の頭を手で押さえた。『小娘の戯言とお聞き流し下さいまし』“わたし”は目を伏せた。これ以上、ユリウス様の困惑した顔を見ているのは辛かったからだ。『ジョゼフィーヌ
2021年11月23日 15:55
有力な貴族の男性が複数の妻を娶ることが普通のは知っていたが、自分がその複数の妻の立場になろうとしていたのを知って、ひどく“わたし”は混乱してしまった。『違うのよ、ジョゼフィーヌ』動揺する“わたし”の手を公爵夫人は掴んだ。『ユリウス殿の“妻”とされているノートリアはユリウス殿の遠い親戚の娘。神殿で下働きをしている際に神殿長との子供を授かり、世間体のためにノートリアの両親がユリウス殿に娘と
2021年11月23日 11:31
ユリウス様と初めてお会いしたのは秋の終わり。コール公爵が陛下と近くの森に狩りに出掛けられた帰りに、ユリウス様を屋敷にお誘いした。『やあ、はじめまして』頭に葉っぱをつけたまま、ユリウス様は“わたし”に挨拶をした。『ユリウス殿、御髪(おぐし)が』『おや、失敬』公爵夫人が小声で注意すると、ユリウス様は慌てて頭の葉っぱを払い落とした。狩猟の装備のままのユリウス様は“わたし”より