行ったつもり
先日のお呼ばれした落語会では【書割盗人】という噺をした。
部屋の壁に家財道具を描いて、優雅に”住んでいるつもり”でいられる、という設定だ。
その部屋に入ってきたどろぼうが、部屋に何もないことがわかり、何もとらずに帰るのがシャクで、家財道具が”あるつもり”で盗みをはらたく。どろぼうのようすをみていた家主がどろぼうを”捕まえるつもり”で追いかける、という流れの噺である。
”つもり”で思いだしたが、ぼくは仕事柄出張が多く、時間ができれば、出張先のマニアックな観光地に足をはこんでいる。
お世話になっているお客さんの土地のことを知ること、また単純にその土地の歴史に興味があるからだ。
そこで撮った風景を、自分が主宰しているグループにアップしている。土地のなじみのある人からは「なつかしいな」とか「あそこにはいったの?」とか、反応がある。そのようなやりとりをみている他のメンバーはその土地に”行ったつもり”になっているのだろうかな、とふと思ったのだ。
ということが頭によぎったので、今回のコラムにしてみました。
これからも、出張先の風景を送ろうと思います。
もし刺さる根多でしたら、木戸銭歓迎です。寄席代にして、さらなる刺さる根多を仕入れてきます。