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言葉の認知を定着させる技術

フレーミング効果という言葉を知った。同じ意味を持つ情報であっても、焦点の当て方によって、人はまったく別の意思決定を行うという認知バイアスのことだそうである。

落語のとは、少し違うが、言葉の認知を定着させる技術が落語にはあるな、とフレーミング効果をみて思った。

昔はよくつかわれていた言葉が現在では使われていないものがあり、そのまま伝えても、言葉そのものを知らないため、聴き手に伝わらない言葉がある。

話し手としては、昔の雰囲気が伝えるために、当時使われていた言葉を使いたい。言葉そのものの意味が伝わらなければ、言葉の意味がない。ゆえに別の言葉に置き換えて伝えている。

例えば、やきもちを焼く言葉の意味である「悋気」。現在ではほとんど使われていない。なので「妬いてけつかる」と置き換える。

しかし「悋気」という言葉は妬いている状況が浮かぶので、使いたい。また当時の雰囲気がでる言葉でもあると個人的には思っている。

落語には「伝わること」「当時の雰囲気を出すこと」の両方の課題を解消させる技術がある。

「悋気起こしとんな、妬いてけつかる」と両方いうのだ。単純である。悋気の意味を後追いで妬いている状態だあると解説する。それで悋気の雰囲気を伝えるである。

ぼくは、落語のこういった伝えるための工夫が好きだ。勉強になる。実生活でも使える工夫だと思う。落語に含まれている工夫を今後も共有できればと思っている。


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