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ライバルを紹介しまくる落語①

【落語の構造】
ライバルを紹介しまくる落語①

僕は落語の世界観に魅せられています。
その理由の一つが
「ライバルを紹介しまくる仕組み」です。

噺家さん同士は、いってみればライバルになります。
前で演じた噺家がウケて自分がウケなければ悔しいでしょうし、
あいつより俺の方が面白い、負けたくない気持ちがあるでしょう。

けれども、そのライバルをいとも簡単に紹介するんですね。
それどころか紹介しまくってるんですね。

通常、寄席の出演者は一人ではなく、5~7名の出演で成り立っています。
この時点で自分以外のライバルが多数出演することになります。

会場に入ると大量のチラシを渡されます。
今後、開催予定である寄席のチラシです。

文華師匠が主宰される落語会では、
出演される他の噺家さんが、主宰する落語会のチラシを配っています。

ご自身のライバルを出演させて、かつ、ライバルが主宰する落語会の
紹介までするんですね。
文華師匠の落語を観に来ているお客さんに無条件で紹介されるのです。

「どんだけ紹介しまくるねん」とツッコミをいれたくなるほど紹介されます。

これを自分の業界にあてはめて考えた時、ありえない状態なんです。
みなさんの業界ではいかがですか。ライバル会社を紹介されますでしょうか。

落語って「ふところ深いな~」っと寄席に行くたびに感心させられます。

ただ、このふところに深さに、落語が400年続く秘訣がある気がしています。

次回も、落語のふところの深さについて紹介しまくります。


もし刺さる根多でしたら、木戸銭歓迎です。寄席代にして、さらなる刺さる根多を仕入れてきます。