「死神」文華師匠ネタおろし
先だって、文華師匠の寄席に行きました。「此花 文華茶論」という文華師匠の三席堪能する会です。
そのうちの一席が「死神」でした。今回がはじめて演じたネタで、いわゆる「ネタおろし」でした。
「ネタおろし」の演目は高座に上がるまで知らされません。おたのしみの一席です。
演目がはじまると、ネタの雰囲気に身に覚えがありました。身を乗り出すようにして聴くと、「死神」で間違いないことを確信しました。僕の身体はさらに前に乗り出していたようです。
僕たちへの稽古指導で「死神」を演じているところは観てましたが、寄席でしかもネタおろしで観ることができるとは思っていませんでした。以前師匠から「死神はやらんかな~」と言われていた記憶があり、高座にかけることはないと思っていたからです。
なので、この日はとても贅沢な時間でした。
7年前に師匠に死神の指導してもらっていたときの振りをそのまま再現されていました。「自分が演るならこうやるんやけどな~」っという振りを伝授してもらった内容です。
「あ、ほんまにやりはった、ほんでやっぱりウケた~」と、客席目線で現場で確認するできました。
病人をひっくり返す場や暗い場所から明るい場所に出てくる場面は、自分が発表会で演じたままで自分を観ているような錯覚を起こしました。
最後の見どころであるロウソクのやりとりの場面では、「死神」となっていいる自分がいました。
終演のとき、文華師匠がチラッと僕に目をやって、高座を降りたような気がしてなりません。
もし刺さる根多でしたら、木戸銭歓迎です。寄席代にして、さらなる刺さる根多を仕入れてきます。