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落語の稽古

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落語塾での稽古模様を記事にしています。
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2022年2月の記事一覧

聴く稽古

今年の落語発表会に向け、桂米朝師匠の「天狗さし」の音源をスマホに入れて、通勤中に車の中で聴いています。便利な世の中になったものです。 噺の筋を覚えることと、登場人物の切り替えの取り方に視点を置いて聴いています。 音声を聴いているのですが、情景が浮かんできます。米朝師匠の声が自分の身体に沁みいるように入ってくるので、ありありとして登場人物が見えてきます。なので、同じところで毎回笑ってしまいます。 毎回同じところで笑ってしまうって、すごいことだと思います。それは場面を想像さ

台本の作り方

以前、台本の覚え方のことを書いた。 今回は台本の作り方について整理してみたい。 落語を覚えるのに台本を作ることは欠かせないとぼくは考えている。 覚える音源をひたすら聴きこむことで覚えられる方もいるが、いったん紙に起こしたのちに目を耳で覚えるパターンが僕の場合は良いように思う。 まず、台本をつくるためには文字起こししなければならない。じつはこの作業がとても億くうである。音源聴きながら、パソコンのテキストを使ってひたすら打ち込むのである。再生を何度もいったりきたりさせるので

台本の中身の絞り方

台本をつくると、台本を覚える作業に入るのですが、その前にまだ内容をシェイプアップできるかどうかを検証します。 そのためにネタを箇条書きで考えるようにしています。このネタはいる、なくてもいい、などを選別します。 噺の文脈が崩れないようにできるだけ短くしていきます。短くしても、実際に演じてみると、長い時間となってしまいがちなんです。 また、気に入っているネタを残したい気持ちが働くので、なかなか選別できない部分もあります。 さらには、思いついたネタを差し込みたくなるので、結