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劣等感を拾い集めて

人と会話をしていると、つい自分のウィークポイントを意識させられる。他人を「脚長くてスタイルいいですね。」と褒(ほ)めることで、自分の短足を意識させられ一瞬ちらっと落胆する。また会話の中で、その人が多少英語が出来ると判明し、自身が学生時代英語で苦労したことを思い出し、忸怩(じくじ)たる思いを抱かされる。本当はそこで一々自分と比較して劣等感を覚えなくていいのに、自然とそうしてしまう。こうなると人生は、自分の劣等感を一つ一つ拾い集めていく旅路となってしまう。そこで「劣等感の塊」になった所で誰も褒めてはくれない。他人と自分を比べる癖を何とかして辞めにしたい。つまり一種の居直りである。脚が短くてコンパクトに納まって便利だとか、屁理屈で自分を納得させる。英語は普段使わないから得意で無くて別に困らないと、自分を正当化すればいいのである。他人と比べず、自分を正当化したら、自分の劣等感は何だか愛おしくなって来る。こんな欠点だらけの自分なんてやだと駄々をこねるのを止めて、ありのままの自分を受け入れてあげるのである。そうすると劣等感じゃ無くて「持ち味」にも思えてくる。かくして拾い集めた劣等感たちは、いつしか宝石として輝きを放ち始める。



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