テイクアウトのごはんは、なぜ「高く」感じてしまうのか?

最近こんな世の中なので、色んなレストランや居酒屋がテイクアウトやってるじゃないですか。ぼくが住んでいる街でも、あちこちでお弁当やお惣菜を売っています。

でもぼく、この状況下でも「テイクアウト」や「デリバリー」ってほぼ使ったことないんですよ。唯一利用したのは、マクドナルドでWチーズバーガーセットを買った一度きりです。


え、なんでテイクアウト使わないの? テレビでも散々やってるじゃん、「あの人気店がお弁当を販売してます」みたいにさ、って思う人もいますよね。

はい、その通りなんですが、ぼくはどうしても「高い」と感じてしまうんです。

もう少し噛み砕いて書くと、「①純粋に値段が高い」「②なぜか割高に感じてしまう」の2点かなあ、とぼくは思っています。


で、この話を深掘っていくと、「結局ぼくたちは何にお金を払ってるんだっけ?」みたいなことも考えられるんですよね。

最近ずっと考えているテーマなので、雑にはなりますがアウトプットしようと筆を取りました。


大前提:このnoteでいう「テイクアウト」とは

ぼくがこれから使う「テイクアウト」という言葉ですが、「元々は店内の飲食だけを提供していたお店が、最近始めたお弁当やお惣菜の販売」と位置づけます。

焼き鳥屋さんが焼き鳥丼を売り始めたとか、カレー屋さんがナンとルウのセットを売り始めたとか、そういうのをイメージしてください。

反対に、そもそもテイクアウトも提供していたマクドナルドやケンタッキーみたいな飲食店は考えません。話がごちゃっとしてしまうので。


ぼくがこのnoteで考えたいのは、「最近になってテイクアウト販売を始めたお店のごはん、すげえ高く感じちゃうのはなんで?」の一点です。


理由①:純粋に値段が高い

ぼくは東京に住んでるんですが、最近になってテイクアウトを始めたお店のごはん、普通に1,000円とか超えませんか?

もちろん美味しいのかもしれませんが、セブンで買えば600円で買えそうなお弁当が1,000円で売られてるのを見ると、「これ誰が買うの?」と思っちゃいます。

週に1回のご褒美として食べるならいいけど、ふだんの昼食や夕飯を1,000円のテイクアウト弁当に置き換えようと思う人、少ない気がするんですよね。

(もちろん、1,000円にしないとお店の経営が苦しい!みたいなことは分かって書いています。お店の都合は全部無視した上で、いち消費者としての意見です)


理由②:なぜか割高に感じてしまう

ぼくがメインで考えたいのはこっち。テイクアウトのごはんになると、なぜか割高に感じてしまうこと、あなたにもありませんか?

たとえば、家の近所に蕎麦屋さんがあるんですが、そこでざる蕎麦と親子丼のセットを頼むと1,000円します。ぼくはそのお店が好きなので頻繁に行くんですが、このメニューをそのままテイクアウトするとしたら……。

申し訳ないですが、絶対1,000円では買わないと思います。「いや高えよ」って思っちゃうから。


でもこれ、不思議な話だと思いませんか? お店で食べるときは1,000円払うことに抵抗がないのに、同じメニューをテイクアウトにした瞬間「高えよ」って感じてしまうんです。

あなたの近くの中華屋さんでもカレー屋さんでもとんかつ屋さんでも結構ですが、「お店と同じメニューを、そのまま同じ値段で」テイクアウトにすると、なぜか割高に感じてしまう人、多いと思うんですよね。


これ、ぼくたちが「料理だけに」お金を払ってないってことです。カツ丼そのものに1,000円の価値があるとしたら、お店で食べようがテイクアウトして食べようが、1,000円という値段に疑問はないはず。

でも現実は違いますよね。テイクアウトが割高に感じるなら、「店舗にあって、テイクアウトにはないもの」にぼくたちは普段お金を払ってることになります。


店舗にあって、テイクアウトにはないもの

じゃあこれってなんなのか、思いつくままに書いていきます。考えれば考えるほど、「ぼくたちが無意識に価値だと感じているもの」が現れておもしろいです。


接客

これ分かりやすいですよね。店員さんが料理を運んでくれたり、ちょっといいお店だと料理の説明をしてくれます。愛想がよくて元気な店員さんがいるお店だと、味や値段が普通でも通っちゃう…って人も多い気がします。


できたて

店内でごはんを食べるとき、相当ヘマをしない限りできたての料理が運ばれてきます。反対にテイクアウトだと、徒歩1分の場所に住んでない限りは「お店と同じコンディション」にはなりません。


盛り付け

お皿やグラスも含めた「盛り付け」も大事な要素でしょう。どれだけ頑張っても、テイクアウト用のビニールトレーではお店には敵いません。


「映え」

盛り付けとも若干かぶりますが、料理の写真を撮って「映えること」が大事なお店もあります。こういうお店って、乱暴に言えば「映える写真を撮ってインスタにアップできること」が美味しさよりも重要視されます。

おしゃカフェのランチプレートが1,000円だとして、料理そのものの価値は300円、残り700円は「インスタ用の写真が撮れる」ことへの価値、なんてこともありそうです。


会話

友達や同僚と飲み会するケースだと、料理よりも「会話」や「会話できる空間」に重きが置かれることもあるでしょう。

味はどうでもいいから楽しく飲めればいい!という居酒屋だと、あっさり「缶ビールとコンビニ惣菜でZOOM飲み」に取って代わられます。


「素敵なお店を知っている」という評価

男女のデートだとこれも大事ですよね。そのお店に意中の女性を連れて行く男性心理として、「グルメで素敵な人だと思われたい」という下心は少なからずあります。

ごはんを楽しむことが目的ではなく、自己アピールのために飲食店を使う場合もたくさんあるでしょう。


気分転換としての場

ひとり暮らしのぼくからすると、これは結構大事です。ずっと家にいるのもアレだし、ごはん食べに行こうかなって感じ。

外食が気分転換としての機能を持っているので、そもそも「テイクアウトして家で食べる」だと意味がありません。


1,500円のテイクアウト、1,000円で「トントン」では?

ざっと考えただけでも、「店舗にあってテイクアウトにはないもの」がたくさん挙げられました。これが、ぼくたちが無意識にお金を払っている「価値」だと思います。

これを踏まえて再度考えてみると、やっぱり「店舗と同じ料理を同じ値段で」売るのは割高だよなあ……と思ってしまいます。ぼくたちがレストランで支払う価格の3〜4割ぐらいは、「料理以外」に支払っていると感じるからです。


乱暴な論になってしまいますが、テイクアウトごはんは店舗の3割引ぐらいで「トントン」な印象です。店舗で1,500円のカレーなら、テイクアウトは1,000円でやってほしい。

特に、料理以外の提供価値が大きいお店では「割高感」が顕著になってしまうと思います。オフィス街にある客単価6,000円の居酒屋が、2,000円のお弁当とか出してるじゃないですか。あれ、どう考えても高すぎるんですよね。ひとりで食べるごはんにそんな値段払わんよって。


という感じで、雑ではありますが「テイクアウトが割高に感じる理由」「ぼくたちは何にお金を払っているのか」を考えてきました。まじめな文章を書いて疲れたので、次はゆるいエッセイを書こうと思います。


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