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関西人らしさって、一体なんなんだ。

ぼくは東京の会社で営業職として働いているんですが、クライアントとの打合せで何十回と言われた言葉があります。

「え、大阪出身なんですか? 全然関西人っぽくないですね」

ほんとに冗談抜きで、これまで何十回と言われてきました。ちなみに、次によく言われるのは「え、2年目なんですか? めちゃくちゃ落ち着いてますね」です。


軽く自己紹介をしておくと、ぼくは大阪出身・東京在住の25歳。生まれてから大学を卒業するまでの23年間は、ずっと大阪の実家で暮らしていた生粋の関西人です。

そんなコテコテ?のぼくですが、就職を機に上京してから「関西人っぽくない」と飽きるほど言われるのです。仕事中は標準語で話しているのもありますが、それにしても言われすぎです。もはや東京に魂を売ってしまったのかと、自分でもアイデンティティを確立できません。


そんなこんなで「大阪っぽくない」には飽き飽きしてるんですが、そう言われるのにはなにか理由があるはずです。

東京のみんなや世間がイメージする「大阪っぽさ、関西人っぽさ」が少なからず存在して、ぼくがそのイメージからかけ離れていると。

そこでこの記事では、「みんながイメージする関西人っぽさってなんなん?」「それって実際、関西人のリアルなん?」を考えていこうと思います。


話にオチを求めて、グイグイくる関西人

「なんでやねん」「おおきに」を連呼し、たこ焼きと串カツを愛し、おばちゃんは皆ヒョウ柄を着て、大声かつ早口で話す。これはメディアが創作した「単なるイメージ」で、関西人は全員こんな感じだ、と本気で思っている人は少ないでしょう。

でもここまで酷くないにせよ、関西人のイメージは確実にあるはずで。「話にオチがないと怒る」「グイグイ土足で踏み込んでくる」みたいな印象は強いと思っています。

実際、まわりの関東出身者に聞いてみても、「関西人はオチがないとすぐに指摘してくる」「距離感が近すぎる」と言われたりしますし。ぼくの恋人も、「関西人はグイグイ来すぎて基本的に苦手」らしいです。笑


ついつい期待に応えてしまう関西人

こういう風にちょっと暑苦しいイメージを持たれている関西人ですが、それが本当にリアルな姿なのか?というと、ぼくはちょっと違うと思っています。むしろ、まわりの期待に精一杯応えた結果が、「関西人の性質」として根付いているんじゃないかなと。

関西人ほど「ステレオタイプなイメージ」がある人種はそうそういません。それこそ「大阪出身なの?」と「秋田出身なの?」には、含まれている意味が全然違う気がするのです。

みなさんの発する「大阪出身なの?」には、「え、あの大阪出身なんですか! 会話を始めるといつの間にか漫才になってしまって、息を吐くように面白いことが言えて、大好物はお好み焼きでケチでがめつい、あの大阪出身なんですね! そうですかそうですか!」という文脈が含まれていないでしょうか。少なくとも、自意識過剰なぼくにはそう聞こえてしまうのです。

テレビによる刷り込みも多分に影響しているはずで。生まれながらにしてぼくたちは、「世間が抱いている関西人らしさ」を意識しながら日々を過ごしています。


そして素直な関西人の中には、そういう「世間がつくった関西人イメージ」に応えようとする人たちが少なからず存在します。というより、無意識のうちに応えてしまうのかもしれません。

ここは関西人としての振る舞いが期待されているな……と感じ取った瞬間、話す速度が早くなり、ツッコミが厳しくなり、普段は使わない「ちゃいまんねん」とか言ってしまうんです。

関西人は「元々おしゃべりでグイグイくる」のではなく、世間に「関西人スイッチ」を押されて、必死で役割を演じているのではないでしょうか。


関西人に優しくたのむよ。

まあこんなことを書いてきましたが、根っからのグイグイツッコミ系関西人もそりゃあ存在しています。火のないところに煙は立たないですし。

ただ、関西人が「世間からの要請に頑張って応えている」ことも、ちょっとだけ知っておいてくれると嬉しいです。日本中見渡しても、こんなにステレオタイプなイメージが蔓延している地域はない!と思うので。

ぼくに「関西人っぽくないねえ〜」と言うのも、金輪際禁止です。


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