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気持ち良いベスパの「ついで」

真夏の8月。
ベスパで早朝の都心を流した「ついでに」ちょっとした峠へ行ってしまった。

…行ってしまった??

そう。
早朝の都心をチョイ乗りしてサッと帰るつもりが、ベスパが楽しくて気持ちよくて。

チョイ乗りついでに、ちょっと東名高速でも乗っちゃう?
高速が空いてるついでに、大好きな海を見ながら西湘バイパスでも走っちゃう?
海沿いついでに、国道をゆっくり流して熱海まで行っちゃう?
熱海まで海を見たついでに、箱根の山を超えちゃう?

「ついでに」が、あれよこれよという間に距離が延びてしまい、気がついたら峠を走っていたのだ。
ついでに「ベスパで峠を走るってどんな感じだろう?」というのもあったけれど。

ベスパ+峠は、思っていた以上に普通に走れて楽しかった。

300ccの余裕で急な上り勾配の峠道でもすんなりと上ってくれて、下りでもブレーキがシッカリと効いて減速できて、ツーリングペースでゆっくり走るには十分でストレスもなくて、むしろ頼もしいとすら感じる。

一方で、凸凹と荒れたコーナーでは小径12インチタイヤが暴れて怖いとか、上り勾配のあるヘアピンカーブでセンタースタンドをガっと擦ってしまったとか、長い下り坂ではギア付きバイクのようなシフトダウン+エンジンブレーキを併用した減速が出来ないから、早めの減速とブレーキングが大事とか、それなりに気を使う要素もあるけれど、それはスポーツバイクと比べたら、というだけのこと。

だって、ベスパだからね。
目を三角に吊り上げないで、優雅にゆっくり景色を楽しみながら流そう。

だって、ベスパってそうでしょ。
ボクの後ろから迫りくるスポーツバイクのライダーには〝お先にどうぞ〟のハンドジェスチャーを。

だって、ベスパはスマートじゃなきゃ。
彼らがボクを追い抜きざまにする〝ありがとう〟のさりげないハンドジェスチャーってカッコイイな。
昔はボクも、スポーツバイクでああやってジェスチャーしていたっけ。

ところが、下界は真夏の晴天ギラギラでクソ暑かったのに、峠を上っていくと霧でモヤモヤ。
そして頂上付近では視界も20〜30メートルになり、ついに雨に降られてしまった。

いつもなら、この時期ちょっとした距離を走るときはゲリラ雨用のレインウェアを入れた「カバン」をリアキャリアに乗っけているのに、この日は「ついで」だからカバンもレインウェアもなかった。

雨に降られ、標高も高いから気温が22度くらいなんじゃないかと思ったほどに夏用ウェアでは寒かったけれど、ベスパのウインドスクリーンと伝統のレッグシールドは、そんな雨風も防いでくれて助かった。

走行中の雨風を防いでくれるウィンドスクリーン

ベスパはびしょ濡れになったけれど、運転しているボクが濡れたのはヘルメットと身体の一部だけ。

寒い寒いと急いで峠を降りると、また下界はギンギラギンに晴れていて暑くなってきて。

さっきまで雨で濡れてしまったベスパもボクも、あっという間に乾いてしまっていた。

お腹へったなぁ。

そんな夏の「ついで」な出来事。

十国峠付近。この先をさらに上っていくと雨に降られてしまった

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