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複雑な情報ほど記憶に残りやすい

自慢ではないですが、
物覚えがいい方ではありません。

特に覚えるのが苦手なのは、
なんの意味もなさない数字、
行ったこともないところの道順、

あるいは実際に自分で
手を動かしてする作業の工程、
といったものが苦手です。

なぜ、こういったものを
覚えるのが苦手かというと、

「情報」が少ないから
だと思うんですね。

「情報が少ないから
 覚えられない?
 逆じゃないの?」
と思う方もいるかもしれません。

長いこと生きてきて、
これを実感したのは、
ここ数年のことなんですが、

実際には逆なんだと思います。
(少なくとも私にとっては)

若い頃から周りに
「物覚えが悪い」と
言われたことが多々あります。

でも、実際には、
今の私は「昔のことをよく覚えている」
「いろいろものを知っている」
と言われることもあるんですね。

これって不思議なことですよね。

若い頃はわかりませんでしたが、
今の私は自分の脳の特性を
わかっていて、

ものを覚えるには、
「暗記」のような形ではなく、
系統立てて覚えるのが肝心だと
思っています。

というのも、先に挙げた
「数字」「道順」「工程」
といったものは、

どれも簡略化された情報なんですね。

なかなか説明するのが難しいのですが、
どれも暗記を要する分野に感じるのです。

本当は「数字」にしても、
「道順」にしても、
そこに付随する情報は多くあるでしょう。

例えば、数字は実際に
その数の「物体」が目の前にあれば、
意識せざるを得ないでしょう。

口座などでもおなじみの
4桁の暗証番号も

「8453」といったような
数字でしか見えなえれば、
なんの感情もわきませんが、

実際に目の前に
「8453」個の、
あるいは「8453」人の

といった形で見えれば、
実感せざるを得ません。

「道順」にしても、
目印としてなんらかの建物が
示されることがありますが、

実際に目の前になければ、
それはただの記号に
過ぎないんですね。

一方、私が得意なジャンル、
例えば、一冊の本のこととか、
音楽のこととか、

そういうものは、
情報量がすごく多いです。

数字の羅列だったり、
道順や工程を表した
フロー図とは異なりますよね。

一見、そっちの方が
複雑な情報で覚えにくく
感じるかもしれませんが、

情報量が多いものは、
それだけ脳に密着する
リンクが多いと思うんですね。

リンクが多いというとは、
脳から取り出す時の「取っ手」が
多いということでもあります。

どれか一つの取っ手が
壊れて使えなくなっても、

他の取っ手を使って記憶が
取り出すことができる
というわけです。

例えば、私は自分が生きてきた
時代にあったことを
よく覚えている方だと思うんです。

中でも時代の節目として、
あらゆる分野に出てくるのが、
1989年、1995年です。

1989年は、
私が小学校に入学した年で、

手塚治虫や美空ひばりといった
国民的なスターが
亡くなった年でもあります。

(昭和の終わりの出来事として
 よく引き合いに出される)

1995年は、
私が中学校に入学した年で、
阪神淡路大震災、
地下鉄サリン事件があった年です。

なぜ、これらの年が
すんなり思い出せるのかというと、

異なる分野の複数の文献に
登場することが多いから
というのもありますが、

私はこれらの年数を
ゲーム機の発売年とともに、
記憶しています。

'89年はゲームボーイが発売、
'95年はセガサターン、
プレイステーションが普及した年、
として強く記憶しています。

(サターン、プレステの発売は‘94年)

他にも私はテレビ番組や
音楽も好きだったりするので、
そういうものとも結びついて
年数を記憶しています。

(〇〇年に発売されたゲーム、
 あるいは〇〇年に放送を開始した
 テレビ番組を聞かれれば、
 ある程度即答できる)

このように、私は数字を覚えるのが
苦手なのにも関わらず、
多くの年数を記憶しています。

なぜ、そうなったのかというと、
私は多くのエンタメが好きなので、
それらがどういう時代背景で
出てきたのかも気になるんですね。

そうすると、作品名だけでなく、
それがいつ発表されたものなのかも
重要な情報になるわけです。

こういった複数の
リンクがあるものは、

記憶力の悪い私にも
覚えやすいというのが、
大人になってからわかったんですね。

今はインターネットがあるので、
余計にわかりやすいでしょう。

例えば、あなたが
知人・友人の誕生日を
覚えたいと思ったとしましょう。

数字を覚えるのが得意な方は、
なんの問題もないかもしれませんが、

私のように数字を覚えるのが
苦手な方は、
その「月日」をネットで
検索してみてください。

どの月日であれ、
なんらかの「〇〇の日」に
認定されています。

あるいは有名人の誕生日と
一緒かもしれません。

そういうものをセットで
記憶しておけば、
少なくともその「月日」には、

「知人・友人の誕生日」
という情報とは別に、
「〇〇の日」「有名人の誕生日」
という別のリンクが記憶されます。

誕生日を思い出せない時には、

その「〇〇の日」あるいは
「有名人の誕生日」を
ネット上で検索すれば
答えにたどり着けるでしょう。

たぶん、脳内でも
同じようなことがあって、

少なくとも私の脳内では、
「数字」や「道順」といった
無機的な情報は流れやすく、

複数の「リンク」が絡んだ情報は
定着しやすく、引き出しやすい
というのがあるのだと思います。

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