学校教育で辞書は使えるのか

アメリカでは10月16日を辞書の日と定めているらしい。

アメリカ人の辞書編纂者ノア・ウェブスター(1758~1843)の誕生日が10月16日であることにちなんだものだが、今年の日本ではこの日に合わせて『三省堂現代新国語辞典』 第六版が出版されていた。

なぜ発売から1か月近く過ぎてこの話題を取り上げるのかというと、たまたま朝の情報番組で取り上げられていたから、というだけの話。その番組では、国語辞書に「バズる」「草」などのネットスラングが多く収録されていることに注目していた。

はたしてこういう言葉を辞書に載せるべきか否か、なかなか判断の難しいところだと思う。特にこの『三省堂現代新国語辞典』は「唯一の高校教科書密着型辞書」を謳っているので、高校生への親しみやすさを目指したと好意的に考えることもできるのでなおさらだ。

まあ、こういった議論は辞書の専門家がされたら良いことなのだが、私が気になったのは学校教育で本当にこれが使えるのか、という話。

私は家庭教師しかしたことが無いので学校での国語教育の実態はわからないのだが、学校の先生向けのノウハウ本で学校では子どもたちの悪い言葉遣いや文字遣いを直させるのに辞書を使うというのを読んだことがある。悪い言葉遣いを辞書で調べさせて載っていなければそれは悪い言葉だからやめなさいというものだ。

『三省堂現代新国語辞典』は少なくともこういった授業では使えないだろうな。国語辞書は正しい日本語ではなく、日本語として使われている言葉を博物学的に収集するものになってきているのだろうか。

個人的な見解としては「草」「バズる」などのネットスラングを使う人は勝手にそういった言葉を学ぶのでいちいち載せなくても良いように思うのだが。こういった言葉がわからなくて困るという人々には、それこそほんとにggrksと言ってやればいい。

※ggrks(ググレカス):Googleで検索すればいいだろう。というネットスラング



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