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娘と偏食と旅行と

娘は小さいころから好き嫌いが激しかった。
自閉症だと診断される前は、あまりに好みが激しく少食で、ご飯作りは悩みのタネだった。

バナナを2日くらい美味しく食べてたと思ったら、途中で嫌になってだめにしてしまう。トマトは小さく切れば好きだけど、くし切りみたいに大きいと手をつけない、などなど。
自閉症と分かる前は、正直、ほんとワガママだなとしか思わなかった。
診断されて、色々なママが食へのこだわりで苦労されていることを知って、食感が違うだけでも食べれないとか、メーカーへのこだわりとかを知って、娘もそうだったんだー!と納得した。

ただし、給食とかお弁当は別!
なぜか分からないけど、残さず食べてくるし、給食に至っては大好きらしい。
小さく切ってあるのと、味付けがベストマッチみたい。

お母さんのごはんより、スーパーの惣菜が美味しいって言われたこともある。
複雑だけど、だったら惣菜買って楽していいや!って切り替えた!

そして自閉症と診断されるはるか前、赤ちゃんのころから娘はやっぱりちょっと敏感だった。
旅行に行くと顔が強ばって、夜は泣いて泣き疲れないと寝ない。
ちょっと高めのホテルや旅館で、食事中は半個室じゃないと泣くなどなど、旅行をしてもぐったりだった。
その時期の赤ちゃんを連れての旅行は楽じゃないが、今思うと、突然の変化に恐怖していたんだろう。
親はわかってないし、赤ちゃんだから泣くしか出来ない。
今思うと赤ちゃんの時期って辛くて当然なんだよね。

移動はほとんど出来ないで、出来るだけ娘が好きそうなところ、最小限の散策をしてチェックイン。それでも神社は行ったけど、楽しめる雰囲気はなし。

幼稚園の年少、年中くらいから、ホテルにプールがついてるところが大好きになって、旅行は嫌いじゃなくなったみたい。
ただ、機嫌が悪くなると車で大泣きは当たり前なので、やっぱり大変だった。
シートが熱くなるとダメとか、クーラーの調節はこまめとか。
夜は随分寝付きはよくなったけど、うっかりイベントに参加してはしゃぐと寝れないとかも。

旅行はいつも同じところにしていて、別の所にいくのでも、同じ系列のホテル。
いつもと違うと怖がるので、これも大事でした。
極端に雰囲気が違うところは今でも避けてます。
外食も最近してないけど、多分そんな感じで、極端に知らないところは怖がります。
旅行先で美味しいものはほとんど食べれません。高級なほど、娘は食べない傾向が。

黒毛和牛のハンバーガーを断られたとき、心から母は辛かった。
幼稚園の年長だから、ハンバーガー好きにはたまらないと思って奮発したのに。
残ったのは旦那が食べたけど、パテねお肉で高級になると、噛みごたえが出てくるものがあるじゃないですか。それがだめか、分厚くて食べにくいのがだめか。


おいしいお肉全否定なので。
10割蕎麦ももちろん、だめ。
安い、普通の蕎麦が好きなんです。

だからその土地の美味しいモノを食べるという、旅行の醍醐味を味わえないのかなあって、寂しくなりました。
フルーツは食べれるんだけどね。
全部だめってわけではないけど、いつもと違う雰囲気を楽しむことはないし、いつもより良いものが必ずしも娘の幸せでもないみたい。

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