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ブラック大学のリアルな話

僕は常に就職活動をしている研究者だ。

最初に研究職についたのが10年ほど前。そのときは忘れかけていた遠い母校の先生から、数年に一回同窓会から送られてくる昭和的個人情報満載な「卒業生名簿」を見て、突然電話がかかってきた。

「博士後期課程に行ってるんだって?●●さんから聞いたんだけど…」
「博士号とったら大学で働いてみない??」
というお誘い電話だった。

家からとても遠い大学だったけど、研究職の就職先が舞い込んでくるなんていいことだろうから、OKしてみよう!と承諾した。

就職してみたら…そこは有名な某ブラックな大学…
お声をかけてくれた先生や上司には恵まれたが、学務という名の膨大な雑務に追われ、24時間365日仕事をしていた。

出身研究室の指導教員や仲間には、「どこの大学も最近は忙しいよ」と言われていたけど、本当だな、と思いつつ、その人たちに会ったときに仕事の実情を話すと、「それは相当だね…早く出たほうがいいよ。」と慰められた。そのくらい、大学業界では有名な仕事(雑務)の多い大学だった。

授業以外で、学生の丁寧な個別対応(自分はこの学生の親なのだろうかと錯覚するほどの生活指導も含む)はもちろんのこと、事務的な手続き書類の作成、そしてこの書類すべてに学部長のリアル印鑑やサインが必要で(150円の交通費申請でも)、加えて委員会、サークルの顧問、社会貢献などなど…仕事の終わりがなかった。

しかも薄給…僕は社会人の経験もあるが、その1年目より年収は低かった。5年いて職位があがったけど、給与は数千円しかあがらなかった。責任は100倍くらいあがったけど。

もちのろんで、研究時間はゼロ…転職したくても業績がでてないから、どんな公募も通らない…

そして、4年目に気づいた(遅すぎた!)。学内での信頼は得たけど、研究できない→業績なし→次の職なし、の悪循環にいることに。教育業績や委員会業績なんて論文業績に比べたらおまけみたいなものであることに。

気づいてからひたすら公募サイトを漁る日々。そして、新たなスキルを手に入れた。公募からブラック度を察知するスキル!

公募からブラック度を察知するスキルの話をしたかったのだが、長くなったので、これは次回ってことで。ただのブラック話で終わってしまったけど、また書きます。


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