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自炊を始める時に

いっかだいちです。

いっかだいちは、比較的本をよく読みます。
暇な時間はずっと本を読んでいるくらいには、本が大好きです。

本好きの方全員に共通して言える事だと思うんですが。


本を置くスペースがない!



恐らく、世界中の読書家を悩ませている事かと思います。
そこでいっかだいちが出会ったのが、「本を自炊する」という方法です。
ただし、本を自炊するにあたって、当初は色々抵抗もありましたし、まず自炊をするにあたって何が必要なのか。それを解説しているブログなどが当時は非常に少なく、中々踏ん切りがつかなかった事を覚えています。
そこで、このnoteは、「これから自炊を始めてみようかな」と考えている人に向けた、自炊をするにあたっての必要な事や、自炊のメリット・デメリットについてお話ししていこうと思います。


そもそも自炊とは


 「そもそも、自炊ってなんぞ?」という方も中にはいらっしゃるかと思います。 自炊とは、紙の書籍や紙の資料などをスキャンをし、電子化する事を言います。ファイル形式は様々ですが、基本的にはPDFとする事が多いです。 今回は「書籍」に焦点を当ててお話をしていきますが、勿論一般的な資料や論文なども同様の方法で電子化する事も可能です。

1.自炊をするのに必要なもの 

 パソコン

いっかだいちは、自炊をする時にはiMacを使用しています。必ずしもiOSである必要はありませんが、個人的には他のファイル形式のものをPDFでまとめて保存したい派なので、iOSの方が余計な作業が少なくて済みます。スペックはあまり依存しません。強いて言えばスキャンしたデータをパソコンが認識する際のタイムラグがスペックに依存しますが、そこまで大きな変化があるようには感じませんでした。

 裁断機

裁断機は裁断が数枚単位でしかできなものから、一冊の本を一気に切れるようなタイプまで様々あります。特に理由がないのであれば、一冊の本を一気に切れる事を優先させましょう。
また、裁断機に使用する替え刃も、個人的な感覚ですが2000冊程度切るとかなりの力を入れないと切れなくなります。余計な力を入れる事は本が曲がって裁断される原因にもなる為、2000冊程度切った場合には替刃の購入を検討した方が良いように感じます。

 スキャナー

スキャナーは必ず両面スキャナーを選びます。勿論本のページを1枚ずつスキャンするのは現実的ではないので、必ず自動スキャナーを選択します。また本は性質上摩擦が起こりやすく、通常の自動スキャナーでは2枚がまとめて吐き出されてしまうリスクがあるので、重ねが起こらないような機構のものを選びます。スキャナーは結構良いのを買っておいた方が良いです。まじで。

 iPadなどの本を読むツール

ここでいうツールは基本的にはなんでも大丈夫です。スマートフォンでも読めますが、いっかだいちはiPadを使用しています。Kindleの類も使用した事はありますが、結局はiPadに戻ってきました。理由は後ほど。
 ただし、作成したPDFに再度書き込みをしたい場合などはiPad一択です。またApple Pencilがめっちゃ便利なので、特に学生が教科書を自炊する際はiPad一択と考えています。ついでに白紙のページを追加するとアイデアノートとして書き込みができるので便利です。

2.必須ではないが、あった方が良いもの

ハサミ
 表紙を長方形に裁断したり、裁断機でのみ裁断するとスキャナーの読み取り面に傷がつく事があるので、裁断面を再度切り落とす場合などに使用します。

 外付HDD
 カラーが多い場合は外付けHDDがあった方が良いかと思います。いっかだいちは2TBのHDDを使用していますが、実際は1TB程度あっても問題ないかと。

 専用の部屋
 本を切ると、どうしても紙の粉が部屋を舞います。目に見えない程度の粉ではありますが、なんとなく気分的に嫌なので、いっかだいちは専用の書斎でしか自炊はしないようにしています。

 キムワイプ
 主にスキャナーの読み取り面を掃除したり、スキャナーの紙送りローラーを整備する時に使います。というかキムワイプ自体が割と使い勝手が良いので、家にひとつあると便利です。

 スキャナー専用のクリーナー
 キムワイプと一緒に使います。時々エタノールでスキャナーの読み取り面を拭くと書いてあるブログを見ますが、エタノールだと結局読み取ったデータに白いラインが入りやすいので、専用のクリーナーを使ってしまった方が持ちが良いです。

 Wi-Fi環境
 スキャナーの中にはWi-Fi経由で自炊したデータをパソコンに転送できるものがあります。USBで接続する事も勿論可能ですがパソコンに接続する端子を減らしたい為、Wi-Fiを使用しています。


基本的には、いっかだいちはこの機材で本を自炊しています。

3.自炊のメリット

1 スペースが広がる
 本を自炊し始めると、単純に部屋が広くなります。本って意外と幅を取るので、実は本がなくなるだけで部屋のスペースはかなり広くなります。極論、本棚が不要になります。
 余談ですが、いっかだいちは本の重みで一軒家の床が抜けた事があります。その時の蔵書数は約8000冊程度だったと思いますが、それがきっかけで本を自炊することに決めました。

2 蔵書ファイルが作れる
 自炊は、基本的にはパソコン内に本のデータを保管して、必要な書籍をタブレット等に入れて携帯します。従って、書籍をスキャンした後に本のタイトルをファイル名にして保存するんですが、特にシリーズものだとフォルダ毎に管理をするので、フォルダのソートを「名前順」にする事で、本が巻数順に並び替えられます。典型的A型人間としては非常にありがたいです。

3 暗いところで本が読める
 iPadで本を読む理由のうちの一つです。タブレットって光るんです。本が読めるんです。
久しぶりに紙媒体で本を読むと「なんで光らねえんだよ!」と怒りたくなるくらいにはめっちゃ便利です。

4 テキスト検索ができる
 これは本というより、教科書を自炊するメリットとして感じました。例えば薬剤師としての業務中だと、「アムロジピン」という薬の関連を調べたいと思った時に、自炊した本だとそのワードを検索する事で、そのページに一発で飛ぶ事ができます。またマジシャンとしての観点だと、ターベルコース等で「アンビシャスカード」と検索するとアンビシャスカードについて書かれたページに飛ぶ事ができますし、技法名で調べたい時にも重宝します。またテキスト検索をする場合は設定を変更する必要がありますが、一度設定してしまえばワンボタンでできる事が多いのであまり苦ではありません。

5 本を読んでいるデバイスでSNSを見たり音楽が聴ける
 例えば読んだ本をTwitterなどで紹介したい場合、自炊していればその表紙をそのままiPadで載せる事ができます(実際はiPad内にPDFで保存されているのでそれを貼り付ける事もできるんですが、操作が面倒いので表紙をスクショして貼り付ける方が早いです)。
 また音楽を同じデバイスで聴く事ができるので、電車中なんかで本を読む時に便利です。

6 劣化が少ない
 データ化しているので紙の本と比較して劣化が少ないです。ただしバックアップの作成は必須です。「蔵書のデータが全部消えました」では泣くに泣けません。いや実際はめっちゃ泣くと思うんですけど。

4.自炊のデメリット

1 部屋が汚れる
 裁断の時に粉が舞いやすく、人によっては空気が悪く感じるかと思います。いっかだいちは書斎でしか自炊はしませんが、空気清浄機を必ず使っています。また裁断した端材が散らかりやすいので、自炊した後は必ず掃除が必要です。
 →専用のスペースと空気清浄機、ルンバを使う事であまり気にはなっていません。

2 裁断済みの本が邪魔
 裁断された後の本は意外とスペースを取ります。裁断をし、数冊溜まったら紐で縛ってゴミとして出す事を繰り返しています。中には裁断済の本をオークションサイト等で販売する人もいるようですが、いっかだいちの場合は量が多い事と、売った所で大した金額にならないので、面倒という理由でそのまま捨てています。結局売るためにストックしていたら自炊の意味もありませんし。
 →本のサイズに近いカラーボックスを使用すると、本を縛るタイミングも分かりやすいのでおすすめです。基本的にサイズが同じ本をまとめて裁断するので複数個持っておくと本をサイズ毎に分類できるので便利です。

3 本を紙で読めなくなる
 当然ではあるんですが、本は自炊後はどんな形であれ手元からなくなります。「紙をめくるあの感じが好き」という人がいるかと思います。いやわかります。めっちゃ分かるんですけど、それを加味しても自炊の方がメリットが大きいと感じてしまうのです。若しくは大切な本のみを非破壊式のスキャンで(実際そこそこ手間になるのでいっかだいちは実践していません)対応する方法もありますが、そもそも本を残しておくのであれば自炊のメリットは劣化を防ぐ以外の意味が見出せていないのが現状です。
 →もうこれは諦めて!

5.最後に

自炊はライフワークとして本を嗜む人全員にお勧めしたい方法です。

実際に自炊をするのにかかる時間は、1冊あたり5分程度(時間を短く抑える方法についても機会があったら書いてみたいと思います)です。しかもほぼフルオートでやってくれるので、その間に別の本を読みながら作業をする事ができます。


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