内燃「2.書き潰した願い」
俺たちは大会を一ヶ月後に控えていた。若手の登竜門で、五年目になる俺たちにとっては、ラストイヤーになる大会だ。まだ、勝負のネタが完成していないので、少し焦りを感じている。それは、一ノ瀬も同じのようで、とにかくネタ合わせをしようと訴えてくる。切羽詰まっていることは確かだったので、とりあえず集まることにした。
そういう日は必ず、半額の惣菜を買い、俺の家で集まることになっていた。四畳半のワンルームは、一人で暮らすのには便利だが、二人で過ごすには少し狭い。
基本は俺がネタを書くこ