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現役東大生が地域おこし協力隊として活動中!「自分で自由に選択していいんだよ」って伝えたい。

東京から飛び出したい!そんな思いで飛び込んだ日高村。
自分が思っているよりも生き方は自由なんだって気づいた。

鵜飼唯香さん

現役東大生の日高村地域おこし協力隊。東京大学を1年間休学することを決意し、日高村の協力隊になった。イベントの企画運営や動画編集、デザイン制作など多岐に渡り、いろんなことを行っている“合同会社ショープロジェクト”に所属し活動中。

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Q:なぜ地域おこし協力隊になったのですか?
A:きっかけはコロナでした。

「きっかけはコロナでした。大学の授業が全てオンラインになり、バイトもできない、遊びにもいけない、始めた就活も全部オンライン。そんな感じで、2020年の前半は一日中家に引きこもっていました。それがすごくしんどくなって…。

それまでは、なんとなく大学に通っていたんですけど、当たり前が全て当たり前じゃなくなって、初めて『何のために大学に通っているんだろう?』『私は人生で何やりたいんやっけ?』って考えるようになりました。

2020年の後期授業もオンラインになるって発表された時に、『もうこれ以上こんな生活は無理だ!』って、とりあえず休学することだけ決めました(笑)

そんなときに、友達がTwitterで地域おこし協力隊制度のことをつぶやいてて、初めて協力隊の存在を知ったんです。『地域おこし協力隊?何それ!?』って、調べてみたら『これしかない!』って思いました。

親からずっと『官僚になるんだ』って言われて育てられて、自分もなんとなくその道しかないって思っていました。官僚になるってことは、日本全体のこと知らないといけないじゃないですか。でも、私は今までずっと都会に住んでいて都会の暮らししか知らなくて。地方の実態も知らないまま官僚になっていいのかなという思いがありました。地方に住んでみたかった私にとって、地域おこし協力隊の制度はぴったりだったんです。

あと、金銭面で自立して、親に頼りたくなかったことも大きいです。企業への長期インターンとかも考えていたんですけど、それだけでは自分を養っていけない。それに対して地域おこし協力隊ならば自立して生活していけると思ったんです。そういう面でもやっぱり、今の私には地域おこし協力隊しかないなと思いました。

協力隊のことを知ったのが2020年8月28日で、どこの地域に行くか検討もついていないのに29日には休学届けを出していました(笑)当時は『東京からなるべく早く飛び出たい!』って感じだったんです。それからすぐに、受け入れてもらえる自治体を探しはじめました。」

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Q:数ある自治体の中から、なぜ日高村を選んだのですか?
A:「できる環境」か「できない環境」かって考えた時に、日高村は「できる環境」だなと。

「地域おこし協力隊って、地域としては卒業後やっぱり定住して欲しいじゃないですか。だから、休学した学生を1年だけ受け入れてくれるところ自体が本当にレアで…
とりあえず、自分が興味ある勤務内容で、地域おこし協力隊を募集している自治体の一覧表をつくって、平日の朝9時からひたすら自治体の役場に電話をかけまくりました。
全部で30自治体くらいに電話をかけたかな…

基本的には『定住する気がないなら無理です。』『3年いれないなら無理です。』『大学卒業後は戻ってきますか?』って言われることがほとんどでした。『それは当たり前だよな』って、自治体の立場からしたら、協力隊としてきた人には定住してほしいと思うに決まっています。でも、そんな中、学生でも受け入れ可能だと言ってくれた自治体が日高村含めて3つありました。

3つの自治体の中の2つからは『4月から来てください』、最後の1つの自治体は『いつからでもいいですよ』って言われたんです。
私は自治体を探し始めた9月にはすでに休学していて、できることなら今すぐにでも東京から飛び出したかった。だから『いつからでもいいですよ』と言ってくれたところに行くことに決めました。それが日高村だったんです。

あと、すでにいた日高村の協力隊の方が自由に活動していたことにも決め手になりました。
今まで、私は自由に選択してこなかったんです。中学受験もほとんど親の意思、大学に進学したのも感覚的には大学までが義務教育って感じで。自分から『やりたい』という明確な意思を持って何かをしたことも、意思決定をしたこともないってことに気づきました。今まで真逆の環境で育った分、自由度が高い環境は、自分の性に合わないってことはわかっていました。でも、あえて自由度が高い日高村のような環境に飛び込むことで、自分を鍛えたいなって思ったんです。
当時の私には明確にやりたいことがわからなかった。でも、いつかやりたいことが出てきた時に『できる環境』か『できない環境』かって考えた時に、日高村なら『できる環境』だなと思いました。」

Q:実際に日高村にきて、どのような活動をしていますか?
A:noteの記事をかいたり、イベントの企画運営の手伝いをしています

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「私が初めて主催したイベントは、ドライブインシアターです。コロナ禍でも家族で楽しめるイベントをしたいなということで、村内にある総合運動公園にスクリーンを張って、映画の上映をして、会場では村内のいろんな事業者さんに屋台を出店してもらいました。

とても楽しかったし、企画してよかったなとは思うんですけど、イベントを主催するって難しいんだというのも実感しました。イベントを主催することも、あんなに大きなお金を動かすことも初めてで、本当に周りの大人におんぶに抱っこでしたね…。今まで学生だった私って何もできないんだなって思っちゃいました。」

ーーー日高村にきてぶつかった壁に少し落ち込んだという鵜飼さん。
それでも、歩みを止めることなく日々いろんな活動をし続けています。

「今は東大生と日高村の事業者を繋いでフィールドワークを行ったり、日高村にある酒蔵ホールで映画上映するイベントの手伝いをしたり、高知大学の”あだたん”という日高村を中心に活動しているサークル団体と日高村の特産品を使った料理動画を作成する企画したりしています。”あだたん”との企画では、日程の調整やカメラマンや事業者さんのアポ取りなどから全てを任せてもらっていて、初めての経験をたくさんしています。企画を運営していく過程を学んでいますね。」

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Q:日高村にくる前は、やりたいことがなかったとお話しされていましたが、現在は、これからやりたいことはありますか?
A:「他にも道がある。自分で自由に選択していいんだよ」って伝えていきたいです。

ーーー協力隊になった当時は、自分のやりたいことはなかったと話していた鵜飼さん。いろんな活動を通して、初めて自分がやってみたいと思うことが見えてきたという。

「地方に長期滞在をすることへの壁を少なくしたいなって思っています。
海外留学と同じように、地方に長期滞在するっていう選択肢があってもいいと思うんですよ。

大学まで進学して、4年間ストレートに卒業して、そのまま一般就職するみたいな、それしか道がないと思い込んでいる人ってたくさんいると思うんです。でも、そういう人に『他にも道がある。自分で自由に選択していいんだよ』って伝えていきたいです。
私がここにきて『生き方は自由で、選択肢は無限にあるんだ』と気づけたみたいに。

その方法のひとつとして、私ができることって地方への長期滞在の選択肢を増やすことだなと思いました。現状、若者が地方に長期滞在することに対してどのような認識なのかが気になって、インスタグラムのストーリー機能を使ってアンケートとってみたんです。その結果が面白くて、『地方に長期滞在してみたいか?』っていう質問に『はい』って答えた人が93%もいました。でも、そのほとんどの人が実際には行動に移していない。理由として『周りに遅れをとるかもしれないから』『地域に馴染めるか不安』というのをあげている人がいたんです。ってことは、やっぱり地方への長期滞在は感覚的にハードルが高いんだなって再確認しました。

あと、アンケートに答えてくれた人から『地方に長期滞在するメリットって何なの?』って質問されたんです。それからすっごい考えました。辿り着いた答えが、『地方に長期滞在することに明確な目的は必要ない』です。
何事も目的がないといけない訳じゃない。今の時代は、成果、効果、目的とかをなににでも求めすぎだと思いませんか?
『自然を楽しむ』『都会以外の生活をしてみたい』『なんとなく』そういうのだって地方に長期滞在をする理由には、十分なんです。

これから”地方への長期滞在”を若者にとって、もっと当たり前な選択肢のひとつにするためにできることはないか考えていきたいです。」

Q:日高村で関わる人はどんな人ですか?
A:「大人ってこんなんでいいんだ。」って。もちろんいい意味で(笑)

「日高村には、変な人というか、自由に生きている人がいっぱいいて、概ね好きなことをやってる人が多いです(笑)今まで、先生や親以外の大人に接する機会がなかったんですよ。小さい時から、『なんとなく大学いって、なんとなく官僚になるのかな。公務員が安定って言うし』くらいの感覚だったんです。そんな私にとって、日高村で生活している人々はかなり衝撃でした。」

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「一言で言うと『大人ってこんなんでいいんだ。』って。もちろんいい意味で(笑)

いろんな仕事をしている人がいて、いろんな働き方してる人がいて、一見どうやって稼いで、どうやって生活してるんだろうって思う人も…正直います(笑)でも、そういう人もきっとどうにかしてるから、今、生きていて、そして何より楽しそうなんです。

日高村の人に出会って、仕事はなんでもいいしどうだって生きていけるんだって、選択肢は自分が思っているよりたくさんあるんだって気づきました。」

Q:休日はどんなことしていますか?
A:家の掃除したり、高知市内まで出かけたり、天気がいいは1人で川辺で本読んだりしてます。

「家の掃除したり、高知市内まで出かけたり、天気がいい日は1人で仁淀川の河原で本読んだり、その日によっていろいろです。高知市内までは車で30分だから、気軽に遊びにいける。仁淀川までは車で10分だから、ほとんど近所です。リラックスしたい時に行く川は最高ですよ。」

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「あと、高知にきたらぜひ行ってほしいのが、桂浜水族館!高知市内の海辺にある、すごくシュールで面白い水族館です!!

正直、建物は小さいし、かなりさびれた外観だし……と、私も最初はあまり興味がなかったんですよね。でも、桂浜を何度か訪れるうちに「せっかくだし、1回ぐらい水族館も行ってみようかな」程度のテンションで入ってみたんです。そしたら、もう超・超楽しくて!!見た目の印象をすごく良い意味で裏切ってくれました。私のイチオシはとどショーですね。もし、桂浜に行くことがあれば、必ず桂浜水族館も入って欲しいです!」


Q:地域おこし協力隊、または大学卒業後の予定は?
A:大学卒業後のことはまだわからない。

「復学して、ちゃんと大学を卒業します(笑)大学卒業後のことはまだわからないです。
官僚しか道がないと思っていたのが、日高村にきてもいろんな選択肢がたくさんあるってことに気づけたので、残りの協力隊の期間と大学生活の中で自分がやりたいことを見つけて行けたらいいなと思っています。」

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Q:この記事を読んでいる方へメッセージをお願いします。
A:一旦、飛行機のチケットをとりましょう(笑)

「とりあえず来てみないと雰囲気や人の良さがわからないので、日高村にきてみてください!記事を読んでちょっとでも気になったら、一旦、飛行機のチケットをとりましょう(笑)来たら日高村のこときっとわかります!」


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