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塀はだれのものか

もちろん塀にも持ち主がいて、その方のものなんだろうとは思いますけど。

今住んでいるところには小さいけど庭があって、その庭の先には、向かいの家と敷地を区切る境界線にブロック塀があります。はたしてこのブロック塀はどちらかの敷地に設置されているものなのか?それとも敷地の境界線上に共有物として立っているのか?よく見てみると、うちと向かいの境界線のところだけブロック塀で、うちも向かいもその他境界線部分は金網のフェンスが設置されています。

賃貸なので想像の域を出ませんが、きっと向かいの家との協議とかあったのでしょう。「プライバシーもあるから、目隠しできるブロック塀にしましょう」とかなんとか…。でも、きっとその協議では、そのぶっきらぼうなブロックの壁面をみて生活することになる人のことは、全く考慮されてないわけです。向かいからみると北側にあって密接している塀は、視界には入っていないし、こちらの家主はそもそもここに住んでない。

ある種テンプレ的に、こんなことでいいんじゃない、と決まっている物事のひとつなんだろうな。。。だったらこの境界線も金網とかにすればいいのに…とか、ぶつぶつ言ってみたくなりますが、賃貸ですし、交渉するとかはせずに別の対処法を考えてみます。

とりあえず直接壁面になにかするのは、のちのち問題になりかねないので、スギの板で簡単なフェンスを作り、そこにジャスミンを這わせたりとか鉢を掛けたりなど、壁面「前面」緑化でしのぎます。
「境界線という線は存在しない」ことに着想を得て、作品へと昇華させた鈴木康弘さんのことを思い浮かべながら、とりあえずジャスミンが育つのを待つことにします。

ところで、塀には物理的な厚みがある以上「上の面」が存在します。この辺は猫が多いので、そろそろと塀の上を歩いていきます。塀といえば定番の光景ですけど、やっぱりなんか楽しい眺めです。そんな光景を見ていると、塀があるのも意外と悪くないかもな、なんて都合よく考えたりもします。あ、そういえば引っ越してきてすぐにタヌキが歩いているのを見たこともあります。その時はここに引っ越してきてよかったなと、思ったものでした。

先日駅からの帰り道、ふと見た塀の上がなんだか物々しいのに気づきました。金属製の尖ったなにかが塀の上に設置されているのです。

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「あーこれはきっと、猫ならびに鳩など塀の上に居たがる動物を避けるためのものに違いない、塀の持ち主は猫が嫌いなのかなんなのか、あーなんだか残念!」とか思ったのですが、よく見て見ると「当院関係者以外の駐車は御遠慮下さい。」の文字。

あれ、もしかすると、塀の持ち主の個人的感情とは別に「病院」という立場からやむなく鉄条網を這わしているのかもしれない。僕自身も、当事者の立場を考えていないテンプレ的思考に陥っていたのか…。

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