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いい音がする本、7冊。

あらためて、本っていいですよね…とくにパラパラとめくる時の音が。半径3mの範囲で鳴る音の中では、一二を争う音だと個人的には思っています。

ところで、「本の音」というと、思い出すのはフィールドレコーディングに関心を持つようになったきっかけのひとつ、Steve Rodenの「forms of paper」。ロサンゼルスの図書館の依頼でつくった作品らしいのですが、もとになった音ネタは本をめくる音などを録音したものだとか。ただ当時、実際の音源はなかなか手に入らなくってなかなか聴けなかったのですが、それ以上に、その「音」と向きあうスタンスにしびれた記憶があります。

ということで、気持ちよい音がする本を、ブックカバーチャレンジにならって7冊選んでみました。どうせなら音に関係した本から選んでみようかと思います。さすがに1分には収まりませんでしたが、、、さっそくどうぞ!

1冊目: R・マリー・シェーファー「サウンド・エデュケーション」
「サウンドスケープ」という言葉の生みの親だけあって、本当に気持ちのよい音のする本。そんなに厚い本ではないけれど、薄い紙を使っているからか、ページ数のそれなりにあってパラパラめくった時の連続音が気持ちよく、閉じた時の音もハードカバーならでは落ち着いた音でよし。

2冊目: 白井 綾「open field」
松山で生活する音楽家・陶芸家 工藤冬里を追った写真集。しっかりした紙で製本されているので、ページ数は少ないけれどハリのある聞き応えのある音がなる、いい本。

3冊目: マーガレット・ワイズ・ブラウン / レナード・ワイスガード「しずかでにぎやかな ほん」
「こいぬのマッフィンは みみがいいので しずかなおとでめがさめた。さて なんのおと?」という出だしだけあって、ケント紙のような、図工の授業を思い出させるたのしい音のする絵本。反響が少なくダイレクトな音がするのは、カバーがないからかしら。

4冊目: カールステン・ニコライ 「static fades」
ミュージシャンでもあるカールステン・ニコライのインスタレーションをまとめたアートブック。パラパラめくった時の音が、なんだか小さなパルス音のようで、リズムを意識してパラパラしたくなる一冊。

5冊目:澁谷征司 「BIRTH」
世界各地を巡り撮影された中に、ドイツのジャズレーベル・ECMレコードのスタジオもあったりします。写真がもつ透明感とあわせたような表紙のサテン生地を撫でると、なめらかな上品な音がする。すばらしい本。

6冊目:キム・ゴードン「Performing/Guzzling」
滲みを生かしたペインティングが中心のアートブック。とてもしっかりした作りの本なので、音も堅実。と思ったら、最後にそれまでと斤量の違う薄紙のところがあって、パラパラとすることできず音が乱れまくる。。。さすがマルチな才能を持つアーティスト。

7冊目:駒形克己「かぜが はこぶ おと」
造本にすごく凝っているので、パラパラパラ…という感じにはいかない。一枚一枚めくるとページごとに変化する紙目の表情によって、指が紙をなぞる音も微妙に変わるような、、、。

7冊もあったのでさすがに1分には収まりませんでしたけど、音はもちろん、どの本の内容もとっても素敵ですので、よろしかったらぜひ。

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