本当の名刺交換の仕方

新入社員の第一の関門が名刺交換だ。ただ単にちょっと良い紙を交換し合うだけの意味不明な慣習だと思うなかれ。マナーなんて気にしない人もいるにはいるが、世の中のリーマンは未だそういったクラシカルな伝統を我が子のように大事にする中高年で多く占められていることを忘れてはいけない。

私は30歳を超えて初めて名刺交換なるものをした。まだ名刺交換なるものをしたことがない、これからするだろう諸氏に私が助言できることがあるとすれば、とりあえずネットで基礎ぐらい調べておけということだ。名刺交換の仕方なんてものは、このインターネット上にはごまんと情報が溢れているのだ。

相手より下の高さから出すだとか名刺入れの上で頂戴するだとか、そんなことはどっか他のところで勉強してください。私が提言したいのはもっと実践的な名刺交換だ。下記に示そう。

まず誰もが通る道が、「手が震えてしまう」だ。ガチガチと震えた手で名刺交換なんてするものなら、「昨日入社したばかりです」と宣言しているようなものだ。舐められてはいけない。どう防ぐかというと、こっそり打ち合わせ前に手の甲に針を刺すのだ。血が出ないように、毛細血管をちゃんと避けて針を通すこと。そうすると、手の甲に痛みという刺激が伝わり、手の震えを一時的に相殺してくれる。実はこの方法、世のリーマンはみんなやっているのだ。あの孫正義だってビルゲイツだって、みんなこの方法をやっているのだ。嘘じゃない。本当だ。信じてほしい。

名刺を受け取ったら、厳かに受け取った名刺を口で挟み、

「拙者こちらでドロンさせて頂く」

と言って会議室から立ち去ろう。名刺はそのまま口に挟み、家に持ち帰り、コンロで火につけて燃やそう。そうして呪詛を唱え、もう社会なんてコリゴリだと射に構えて部屋の鍵を三重で締めよう。

というのは冗談だから、みんな頑張ろう。

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