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人材育成のキモはコーチングのみに非ず。(固定電話恐怖症って初めて聞いたよ)

先日Yahooニュースである記事を読んで、そうだよなーという共感83%とともに、なんだかなーというモヤモヤ17%を感じていましたので、私見を少しnoteに書いてみたいと思います。

気になった記事はこちら
「固定電話恐怖症」の新人 褒めて伸ばしてくれた上司に感謝
https://article.yahoo.co.jp/detail/d5833a8f94b0b6b52d47ead4f5bef3d06ffd72e7


固定電話恐怖症って初めて聞いたよ。

皆さんの自宅や職場には固定電話ってありますか?
僕は携帯電話だけで生活しているので、今はありませんが、実家にはあります。

さて、固定電話恐怖症って今回初めて聞きました。

最初聞いた時は「は?」と思ったのですが、2020年の現代では、自宅に固定電話が無いって人が多いのだと思います。
それはそれで携帯電話があれば問題無し!で済むのですが、会社となればそうはいかないことも多いですね。

この記事にあるように、固定電話に出るというのが「うまくできなくて」電話に出るのが怖い!と感じられるのが、固定電話恐怖症ということなのでしょう。

朝のワイドショーなどでも取り上げられていて、これはこれで大変だなーという印象でした。


みんながこんな上司だったら良いのにね

で、この記事で取り上げられているtwitterの人は、新人時代電話かかってきて上司に取り次いだ時、うまく対応できなかったという経験を持っているようで、その時上司が「電話取ったこと」に対してOKを出してくれ、更に「次は名字だけでも聞いてみよう!」と指導してくれたとのこと。

それでとても救われた気持ちになったそうで、今でもその上司に感謝をされているそうです。

一般的に考えて、「電話取れないやついる?」とか「名前と用件聞くのがあたりまえだろ?」と考えると思いますが、この上司はおそらく彼のことをしっかりと見ていてくれて、適切な関わり方をしてくれたんでしょうね。

ほんと、みんながこんな上司ならやる気も上がるし、部下の仕事スキルも上がっていくので、それは良い職場環境が完成するんだろうなーと、とても共感できるエピソードでした。


僕が17%モヤモヤしている原因

さて、この記事ではなぜこの上司がそんな「神対応」できたのか?という部分に仮設を立てて解説しているのですが、そこに僕は17%モヤモヤしているのです。

それは何かと言うと、

1)この上司が「コーチング」の要点を体現しているということ。

2)そしてそれは上に立つものとして学んでおくと良いものであり、参考になる本を読んでみてはどうでしょうということ。

これね、この記事だけ読んで「コーチング」すげー!とかなったら「危ういな」と感じたんです。


人材育成で大切なのはコーチングだけでは無い

「コーチングできれば人材育成できる!」みたいなのを、なんか最近目にする機会が多いように感じていて、いやいや、それだけでは無いでしょうと思う機会が多くあります。

この上司が実践したのは確かにコーチング要素があると思います。

コーチング的には「褒める」というよりも「認める」という技術を使い、相手のありのまま(この場合は電話に出たということ)をしっかりと認めて、次はこうしてほしいという「リクエスト」をしている。

コミュニケーションとしての関わり方という点では、とてもうまくコーチングを活用しているなと思うのですが、人材育成という視点で考えると、全ての部下にそれが当てはまるわけでは無いことは知っておいてほしい。

具体的に言うと、人材育成には3つのステップがあって、
①「ティーチング」
②「トレーニング」
③「コーチング」
このステップを無視して、いきなりコーチングやっちゃうと、相手にとっては「ただただ苦しみ」でしか無くなってしまうんです。

コーチングは「知っててできる」状態の人でないと機能しない場合が多くあります。


本で読んでなんとかなるものでも無い

もう一つ感じるのは、本で読んでなんとかなるものでも無いかなというのが率直な感想。

まあ、コーチングスクールを運営している僕が言うと、なんだかポジショントークのように感じてしまいますが、これはホント。

コーチングってスキルも大切なんだけど、それ以上に使う人の「人間力」みたいなものってもっと大切になります。

ですので、本を読んで付け焼き刃的に本に書いてある「やり方」を使っても意味が無い、むしろ悪化することだってあり得るわけです。

だから、「危うさ」みたいなのを感じてモヤっとしたわけ。


じゃあどうするの?どうしたら良いの?

本当にこの上司のような関わり方をしたいのであれば、しっかりとコーチングを学ぶことが大切ですよ。

はっきり言ってちゃんと「学問」として体系化されていると思います。

とは言え、それでは自スクールの宣伝みたくなっちゃうので、ひとつアドバイスをするとしたら、「相手を認める」ということでしょうか。

コーチングで言うところの「認める」は「褒める」とは違います。
「あなた自身が存在していること、ありのままを受け止め認める」ということです。

先ほどの例で言えば、電話を取ったという行為そのものを「認める」ということであり、そこに「評価や主観(自分の気持ち)」は入りません。

ありのままを受け止め認めるというのは、特に上司・部下などの上下関係では簡単なことでは無いかもしれません。

簡単なことでは無いですが、それができるようになるということが、自身の人間力を高めることに繋がっていきます。

そして、それができるようになると「信頼関係」が向上します。

信頼関係が向上すれば、コミュニケーションが向上し、より人材育成をしやすい環境ができます。


まずは相手を認めることから、意識してやってみることで、コーチングのはじめの一歩にしてみてはいかがでしょうか。


※ちなみに僕がコーチングを学んだのはこちらのスクール。
 札幌校の代表として講師もしていますので、ご一読してみて下さいね。

銀座コーチングスクール
https://www.ginza-coach.com/

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