おはよう ねえねえ、雲って動いてるよね ずーっと動いてるよね そのことを知ってる人ってどのくらいいるのかなあ だって ひとにぶつからないように歩いたり 早く青にならないかなあって信号を見たり 学校や会社に行ってお勉強したりお仕事したり 友達とご飯を食べたり その日の出来事を共有したり みんな忙しそうだもん 私だけなのかなあ
クリームでベタベタのプラスチックを持っているおともだちが楽しそう かわいい女の子たち ｢空っぽの汚いカップ、インスタにあげる？｣ ｢逆にあり！｣ わたしはみんなのすこしうしろをあるく パチンコ屋の明かりがうるさい ギラギラって聞こえる 足が疲れたから靴を脱いでコンクリートの上をあるく ふわふわしてきもちいい かわいい女の子たちのかわいい匂いの髪をなびかせるために風が吹く ピューって吹く ふわってなびく そのついでに誰かが使った有料のビニール袋がわたしの
部屋の隅っこにさぼり虫発生！
お母さんと ようが？ をみにきた 映画が始まる前なのにみんな静かにしている となりのとなりの女の人がなにか探している ｢どうしたの？｣ だまっている ｢大丈夫？｣ 少し大きな声で言う (お母さん:しっ！) だまっている (お母さん:映画館でさわいじゃダメ、知らない人にオセッカイしちゃだめ) あきらめないぞ トントン ビクッ こっちを向いた “えたい” ｢えたい？｣ “え たい” うーん あ、ケータイか！ 一緒に探してあげた ｢これ？｣
困っている女の子が居た 動物園に行くのってどこのバスてーで降りたらいいんだろ… と独り言を言っていた 僕は次の次のバス停だよ と教えてあげた 女の子は眉間にシワを寄せて どーも。 と言った 周りの人の 目 目 目 僕はただの優しい大人！
｢赤ちゃんは天使みたいに可愛いね｣ ってみんなよく言ってる みんなは天使を見たことがあるんだね 羨ましい 私は見たことない だから 可愛いものを見つけても〝天使みたい〟って言えないの 天使には羽根がついてる ってきいたことある もし 赤ちゃんがほんとに天使だったら 女の人から生まれた赤ちゃんは その羽でどこか遠くに行っちゃうかもしれないね でも天使は可愛いから 〝誰か〟が ｢一緒にいよう｣ って言ってくれて その〝誰か〟と一緒にいるうちに
1ぴきめのやもりは ベランダのおそうじをしているときに れんがの うら から あらわれた おかあさんは〝サッチュウザイ〟を1ぴきめのやもりにかけた 1ぴきめのやもりは ずいぶんと よわってしまって しばらくすると ベランダの〝ミゾ〟で うごかなくなった 2ひきめのやもりは ベランダのバケツなかから あらわれた 1ぴきめのやもりより ちいさかった もみじみたいな て をつかって げんきいっぱい はしりまわっていた おかあさんは 2ひきめのやもりには〝サッチュ
はじめまして。つぐみです。 わたしのすきなもの。 お部屋。ベランダ。恋人。澄んだ空気。綺麗な声。ゆっくりとしたもの。 自分のしたいこと以外したくないよ。 ところでみんな 年齢を重ねることは嬉しい？悲しい？
