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「決まれば強い」は甘い罠

レイジングサーフ環境にて、シティリーグS1全勝優勝することが出来ました。
JCS権利に加えて、シティ決勝3回目にしてようやくの初優勝だったので喜びはひとしおでした。
使用したデッキリストは以下です。

下記noteを参考にさせていただきました。


さて今回私が話したいのはデッキチューニングでほんのちょっと後悔した点についてです。
それは…


ツツジを採用したことです。


ツツジは強い。が。

前提としてツツジが弱いとは思ってませんし、採用している構築がおかしいとも思ってません。
ですが自身の構築思考と調整過程を振り返った時に採用したのは正解だったのか?という話をします。

私はシティの1ヶ月ほど前に封印石パオジアンに出会ってからこのデッキをひたすら調整していました。
2、3枠を抜き差ししながら試していたのですが、特に迷っていたのはツツジの採用です。
私のデッキチューニングの好みとして、特定の場面でのみ活躍するカードを減らして序中盤の安定感を高めるカードを増やしたいというのが基本にあります。
そのためツツジを抜いて他のサポートやボールを増やすことを考えていました。
調整として本番と同じリストを使用したBOX争奪戦(4勝1敗)と自主大会(7勝2敗)の14戦でツツジを使ったのは1回のみで、その試合も押し切られて負けてしまいました。

この段階で必要ないと判断できれば良かったのですが、調整相手のサナやロストの逆転の目を完全に摘むケースが多く、直前まで迷いに迷った結果ツツジを撃って勝った試合の印象が残り採用することにしました。

逆転の1勝も「普通に勝つ」1勝も同じ1勝である

ここで注目したいのは「逆転する」ではなく「逆転の目を摘む」であったことです。
いわば優位をさらに優位にしているだけであり、良く考えればツツジではなく他のサポートで盤面を固めれば勝てそうなケースがほとんどでした。

パオジアンは手札干渉される側のデッキで、序盤から相手を引きはなしそのまま押し切るという方向性に寄せる方がいいのは明らかです。
であればツツジの代わりにボールや他のサポートを入れることで序中盤の安定感を高める方がデッキコンセプトに合致しており、試合数が増えるほど全体勝率は上がったと思います。
逆転で勝てる試合は1つ減るでしょうが、「普通に勝つ」試合が2つ増えたかもしれません。
結局ツツジは本番も1度も使わず。コンセプト通り押し切る試合がほとんどでした。

(※特にサーナイトに対してはキャンコロ手裏剣が最も太い勝ち筋であるのは間違いなく、100歩譲って過剰に意識するとしてもキャンコロ2枚目を採用するべきでした。)

1枚目の過大評価と4枚目の過小評価

さて、ここまでの話を踏まえて今回のポイントです。

1枚採用のシルバーバレットは活躍したときの印象に引っ張られて過大評価しがちです。
ポケカでも1枚採用しているだけで勝利に大きく貢献するように見えるカードがあります(例:ツツジ、セイボリー、ドラピオンVなど)。
ですがそのようなカードこそ疑うべきだと考えています。
使わずとも勝てないか、使っても負けていないか、特定の対面以外への勝率を大きく下げていないか、5%しかいない対面を意識し過ぎていないか。
その1枚を入れる事で何かを1枚抜かなければなりません。そこまでする価値がありますか?

逆に4枚目の評価は難しい。1試合で同じカードを4枚使うケースは少なく、3枚で十分だったのか4枚目のおかげで勝てたのかが分かりにくいからです。
4枚入れてたけど何となく3枚でも足りそうだから減らした経験、ありませんか?

4枚入っているカードは強いから4枚入っているはずです。5、6枚目を入れたい場合もあるかもしれません。それなのに簡単に減らしていいんですか?
実際私が使用した封印石パオジアンにはカイの5、6枚目としてペパーを採用しています。
更に言えばこのデッキの個人的な1番のお気に入りポイントはセビエが4枚入っていることです。ここに関しては調整相手に言われても頑なに変えませんでした。
(※実際調整中の大会からシティまでほぼ事故らず、シティ準決勝の連撃戦をはじめ4枚目のお陰で勝てた試合もありました。)

「1枚採用は悪!4枚採用こそ正義!」と言いたいわけではありません。
過剰に意識すると今度は回るけど勝てないデッキが出来てしまいます。
ですがバイアスを認識した上でデッキチューニングをするべきだとは思っています。
そしてそれが分かっていながら出来なかったというのが今回の後悔です。

まぁ優勝したから結果オーライと言えばそれまでなのですが。

結局何が言いたいの?

このnoteを読みましょう(突然)。

ここまでの話を一般化したものです。
私はMtGのことは分かりませんが、かつてより茂里さんの記事を愛読しており、以前自分のnoteの中で勝手に紹介させていただいたところツイートしてくださった(!)こともありました。

これはTCG全般での力を底上げする集合知を蓄積する場にしたい。具体的な場面でどのカードをプレイするかという話を超え、さらにはゲームタイトルも超えて、その背景にある数理や人間の認知、試行錯誤の方法論という一般的な知見を抽出して蓄積したい。

私は、 #一般TCG理論 として以上のような理念で発信をしていくつもりですが、これは私の著作物固有のものではなく一つのジャンルになって欲しいと思っています。

「一般TCG理論を始めます」もりゆき

私は一般TCG理論のような話が大好きです。だからこそこの活動が広がって欲しい。そう思ってポケカを題材に記事を書きました。
皆様のデッキチューニング、そして一般TCG理論の一助になれば幸いです。


最後に私がこれまで参考にしてきた素晴らしい記事の一部を紹介して終わります。ここがメイン。
それぞれ別の筆者、様々なTCGの話ですが、一般TCG理論に興味を持ったあなたにはきっと刺さるはずです。

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