CL横浜2023 メタゲームブレイクダウン〜人生ははなえらび〜
※この記事は投げ銭方式となっております。全文無料で読めます。
2023シーズンの最初の大型大会であったCL横浜。
多種多様なデッキが活躍する環境で、参加者約3200名はどのような回答を用意したのだろうか。
事前メタゲーム予想
CL横浜の事前Tier予想は大方このような形であった。
多少の個人差こそあれど、<パルキア><ロストギラティナ>がトップメタであったことに異論がある人はいないだろう。
環境が混沌としていた理由はTier2以下にある。
まずは非ルールデッキの台頭。Vstar登場以降やや厳しい立ち位置にあった非ルールデッキだが、<ロストバレット>と呼ばれるデッキが環境に登場。後攻1ターン目からの速攻でテンポを取りつつ最後は【かがやくリザードン】の高火力や【ヤミラミ】でサイドを複数取る強力なデッキだ。
そしてもう一つ、環境に大きな影響を与えていた非ルールデッキが<レジギガス>。【セレナ】【ギフトエネルギー】の登場により劇的な強化を得たデッキタイプで、やや厳しかった<ジュラルドン>が姿を消した事も相まって立ち位置が良くなっていた。
これらのデッキの台頭により、特に<ゾロアーク>や<キュレム>などの構築上非ルールデッキが厳しいデッキは対策を余儀なくされ、その他のデッキにも【マリィ】や【ツツジ】などの採用は必須級となった。
また【Vガードエネルギー】の登場により、<ミュウ><ゾロアーク><裏工作アルセウス>などのデッキも強化されており、どのデッキも無視出来ない環境であった。
では、当日の実際のデッキシェア率を見ていこう。
実際のデッキシェア率
自主大会などのデータから見ると<ロストギラティナ>と<パルキア>は大体同じくらいだと考えられるので、おそらくこの二つで30%ほどであったと予想される。
混沌とした環境だからこそTier1を使うというのはとても理にかなった選択とも言える。
しかしベスト16になると様子が一変。<ロストギラティナ>が数を減らす一方で、<パルキア>と<ロストバレット>が割合を伸ばしている。
特に<ロストバレット>は5名も残っており、間違いなく今大会の勝ち組デッキだったと言えるだろう。
また<ロストギラティナ>は2名しかいなかったものの今大会の優勝を飾っている。
※Day2進出(Day1で7-2以上)デッキの割合は公式発表無し。ベスト16では数を減らしていてもDay2への進出率が高いデッキが存在する可能性は十分にある。
またDay1とDay2で使用デッキの変更が可能だったため、上記データも背景の環境が異なることに注意。
ここからは上位に進出したデッキを見ていく。
活躍したデッキ紹介
※以下のデッキリストはポケカ飯様のまとめを主に参考にしています。
まずはマスターリーグ優勝を飾った<ロストギラティナ>。
少し珍しいカードとして【ヤレユータン】が採用されている。
【マリィ】への対策はもちろん、手札に引きすぎたエネルギーを山札に戻して【ミラージュゲート】で加速するなどとても相性がいいカードであり、今後のテンプレとなる可能性を秘めている。
次に準優勝だった<ロストバレット>。
【ミラージュゲート】が採用されておらず、その分デッキの安定感を高めて後攻2ターン目から【ヤミラミ】での攻撃を狙うことが出来る構築になっている。
また【マナフィ】が2枚、【やまびこホーン】が3枚採用されており、<パルキア>を強く意識した構築に見える。
ベスト16に最多の6名、ベスト4に2名の使用者がいた<パルキア>。
環境へのメタカードである【シンオウ神殿】【崩れたスタジアム】などの採用が見られた。
その代わりに【インテレオン(うらこうさく)】や【レベルボール】の枚数が減っている構築も見られ、使用者達の悩みが窺えた。
そして何といっても今回突如として現れた<ロストカイオーガ>を忘れるわけにはいかないだろう。
ロストギミックで山を掘り進め、最後は山札を0枚にしてから【エネルギーリサイクル】【ミラージュゲート】【カイオーガ】のコンボによるベンチ2体への250ダメージでサイドを取り切るデッキ。
このデッキの強みは相手の【マナフィ】を無効化する所にある。序盤に【マナフィ】を置かなければ【かがやくゲッコウガ】の攻撃を防げず、かといって早めに置いてしまうと【ヤミラミ】に倒されてから【カイオーガ】でサイドをまとめ取りされてしまう。
【カイオーガ】でサイドをまとめ取りするため【ツツジ】への耐性も高い。
複数のコミュニティがこのデッキを持ち込み、初見殺し性能も相まって今大会の台風の目となった。
その他注目デッキ紹介
今大会のデッキ選択において「相手のVstarにワンパンされずに、相手のVstarをワンパンする」という選択肢があったように思う。
まずは配信卓で話題になった<アルセウスメルメタル>。
HP330の【メルメタルVmax】は【ギラティナVstar】の攻撃を耐えながら、280以上のダメージを出すことが可能で、一方的に相手をワンパンすることが出来る。
また使用者の割合以上に上位に残っていた印象のある<キュレム>。
Vstarを一方的にワンパン出来るだけではなく、非ルールデッキへのメタとして【エンペルトV】や【かがやくゲッコウガ】を上手く使いやすいデッキタイプ。
このデッキを使用した招待選手のレインボー池田直人氏はDay2進出という素晴らしい結果を残している。
その他にも相手のVstarやVmaxを低燃費でワンパン出来る<ロトム>も話題を呼んだ。
今後の環境への影響
2023シーズンの始まりであったCL横浜の結果が今後の環境に与える影響は大きいだろう。
特に<ロストバレット><ロストカイオーガ>は今後数が増えることが予想され、洗練度が高まってくるであろう<ロストギラティナ>と共にロストギミックが環境を席巻することが予想される。
前環境の圧倒的王者であった<パルキア>も対応を余儀なくされている。元々枠がなかったデッキだが、使用者がどの要素を優先するのかにも注目したい。
一方で環境上位のデッキと同じ要素を持ちながら安定感に難がある<レジギガス><ゾロアーク>はやや下火気味か。
10/21には新弾「パラダイムトリガー」の発売もあり、今後の環境の移り変わりにも注目していきたい。
最後に
ここまでご覧いただきありがとうございました。
他のTCGでは大型大会の振り返りの記事を見るのに対しポケカでは見なかったので、自分も整理したいという気持ちもあって書きました。
筆者自身は特にどこかのチームに所属しているわけではなく、目立った実績があるわけでもないので間違っている部分もあるかもしれませんが、皆様の参考になれば幸いです。
(ちなみに筆者もCLに参加していました。初CLでした)
また次回も読みたいと思って下さった方は、いいねとジュース一本分の投げ銭をして下さるとモチベーションに繋がるので、是非よろしくお願いいたします。
おわり
ここから先は
¥ 150
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?