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さまざまな世界の終わり方

だらだらと話す気はないんだ。 その男は実は強大な力を持っていたんだが、それを家族を守ることだけに使ってひっそりと一生を終えたので、誰も気づかなかった。それだけの…

ikimono
2年前

noteで昔の小説の原稿を公開してみた | INC
http://goo.gl/YDvLX5

ikimono
10年前
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あまたの夢、緑の丘を去りて

 彼は年老いていた。濃いサングラスをかけ、とてもゆっくりと、体をまっすぐに立てて歩いた。顔色は灰色。暑い日にはそれが白茶け、寒さのきびしい日には青ざめた。目が見…

ikimono
10年前
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さまざまな世界の終わり方

さまざまな世界の終わり方

だらだらと話す気はないんだ。
その男は実は強大な力を持っていたんだが、それを家族を守ることだけに使ってひっそりと一生を終えたので、誰も気づかなかった。それだけの話だ。

力?
男はそんなことしなかったけれど、たとえばあそこの山を半分くらいに潰したいと思ったとするだろ。簡単にそうできるくらいのとんでもない能力をもっていた。たとえば、な。

男の人生は冴えない、平凡なものだった。下級役人になり、そこそ

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あまたの夢、緑の丘を去りて

あまたの夢、緑の丘を去りて

 彼は年老いていた。濃いサングラスをかけ、とてもゆっくりと、体をまっすぐに立てて歩いた。顔色は灰色。暑い日にはそれが白茶け、寒さのきびしい日には青ざめた。目が見分けられなないので、両端のぐっと下がった口元がいつも目立った。
 毎日きまった時間に、決まった道を通り、決まった所へ行った。午後早く、黒ずんだ雨跡が見えない蔦の影のようにからみつく建物から出て、旧市街を抜け、間もなくバー《トリストラム》に入

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