さまざまな世界の終わり方
だらだらと話す気はないんだ。
その男は実は強大な力を持っていたんだが、それを家族を守ることだけに使ってひっそりと一生を終えたので、誰も気づかなかった。それだけの話だ。
力?
男はそんなことしなかったけれど、たとえばあそこの山を半分くらいに潰したいと思ったとするだろ。簡単にそうできるくらいのとんでもない能力をもっていた。たとえば、な。
男の人生は冴えない、平凡なものだった。下級役人になり、そこそこ認められる働きぶりだったが歳を重ねて自然と押し上げられる最低限の役職以上に出世