初体験と初体験化は違う
仕事をしながら旅をしているのですが
とあるミーティングで「明日からキリマンジャロ登ってきます!」と報告すると
ミーティングの相手に「キリマンジャロって旅のメインイベントなんですか?」と聞かれてハッとしました
個人的にもちろん楽しみなイベントのひとつなんですが、メインというほどのものではなく「ケニアにいく!楽しみ!」と同じテンションで「キリマンジャロに行く!楽しみ!」と思っていました。
実際、キリマンジャロに登るためだけに日本からタンザニアに行く人もいます。
人によってはキリマンジャロ登頂が長年の夢だとか目標の人だっていそうです。
ところが僕にとっては旅の中の数ある楽しみの中のひとつという位置付けで。
そして現在の世界旅行では「死ぬまでにいきたいところ」と自分の中でリストアップした場所にキリマンジャロのような感じでほとんど行くことになります。
このまま行くと「初体験」をする機会が人生においてどんどん減っていって
「めっちゃ楽しみ!!」みたいな出来事がほぼなくなるのではないか?と不安になりました。
思い返せば、自分の人生は「初体験」にものすごく価値をおいていて
【やったことないことをやりたい】
という想いは強烈なモチベーションとして自分を突き動かしてきました。
日本も47都道府県旅をして世界ももう80カ国ほど旅してきました。
社会人になってトライアスロンもやったし、ジャズもやったし、コメンテーターもやったし、M-1グランプリにも出たし、、とジャンル問わずいろんなことをやってきました。
まだまだやったことないことは無限にありますが、なんだか「やったことないことをやる」モチベーションは自分をすり減らすというか摩耗させるというか幸福度に対しての燃費がものすごく悪い気がしてきました。
初体験をすることが大事なのではなく
「日常の中に初体験を見出すこと」こそが大事なんじゃないかと思えてきたんです
「こんなふうに考える人初めてだ!」
「この花を見るのは初めてだ!」
「こんなふうに悩む自分は初めてだ!」
という感じで
わかりやすい明確な外的イベントに頼らずに自分の内面や観察力によって初体験化することができれば毎日が最高の旅になります
この初体験化が上手い人は何人か周りの人で思い浮かぶのですが、どの人もものすごく魅力的で毎日楽しそうで、人を惹きつけます。
エベレスト登りたい!
ガンジス川に入りたい!
トマト祭り参加したい!
サグラダファミリア見たい!
ピラミッドの中に入りたい!
キリマンジャロ登りたい!
とわかりやすい初体験に駆り立てられて始めた旅ですが
ここにきて自分の日常を初体験化する能力の低さを噛み締めております。
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