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「感慨」学習

コロナで休講する前、せんだい豊齢学園では、館外学習という課目があり、県外への観光バス旅行だけでなく、市内を散策をする学習、そして市営バスなどを利用して仙台市内の施設や歴史建造物へ行く学習などもありました。

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一度足を運んだところでも、説明員やガイドさんの話を聞きながら学習し、学園で知り合った仲間たちと語り合う館外学習はとても新鮮で、いままで知らなかった新たな知識を身に着ける意味でも有意義な授業です。

ある日、館外学習があり職員が早めに行こうとしたら、学園生4人ぐらいのグループがバスに乗ってきました。
少し混んでいたので立ちながら乗っていると、赤いランドセルを背負った小学生が「席どうぞ」と譲ってくれました。

まあ遠慮もあったと思いますが、元気いっぱいの学園生は「いや、いいよ、座ってなさい」と語りかけてあげましたが、小学生はちょっと困った顔をしてしまいました。

そこで一人の学園生が「ありがとう、私、座らせてもらうね」と譲ってくれた席に座りました。小学生は笑顔でバスの前の方に歩いて行きました。

バスを降りて開場を待っている間、4人の楽しそうな声が聞こえてきました。
A「私たち、おばあちゃんに見えたのかなあ」
B「え?Aさん若いし、この前二十歳の誕生日だったじゃないの?」
一同「わっはっはっは」
C「ああいう時って悩むよねぇ。Dさん席に掛けてくれてよかったわ」
D「でもね、あそこで断ると、今度、あの子が本当に困ってる人に譲ることも迷うと思うのよね。これからの為にも甘えなきゃ」

元気だからこそ感じる「葛藤」ではありますが、幅広い目で甘えてみることも大事なんだという感慨深さを教えてくれた館外学習でもありました。

               おわり

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