『生かされて生きる』~修了(卒業)文集から~

せんだい豊齢学園修了文集 『於毛登(おもと)』に掲載された文章をご紹介します。豊齢学園生、修了生以外の方にも読んでいただきたい内容です。

生かされて生きる

     せんだい豊齢学園修了生  K.Aさん


表題との出会いは、故郷南相馬市の寺通いのおり、法話の場です。末子(ばっし)乍ら、喪主を務めた縁で、先祖の墓守、寺の年中行事などに顔を出し仏恩を戴いております。

終戦により満洲から親子五人逃避行、一人も欠けず引き揚げ帰郷。三兄(さんけい)の栄養失調による隻眼失明の災いのみ悔やまれますが、正に奇跡の生還以外の何ものでもない。

亡父の口癖「儲け物の人生、お陰さまのもとに生きよ」、儲け物で産まれたのが末子の私です。

然りとて、幼少期より此の方、我が我がの人生、やりたい放題、競い合い、喜怒哀楽さらけ出し、恥も外聞も無いとはよくぞ言ったものです。思い起こせば九死に一生を得た事も幾度か、道を踏み外し裏表紙一重、今があるのも悪運強しと高を括っておりました。

これまで曲がりなりにも生きてこれたのは自力だと過信して参りました。
生老病死など森羅万象思い通りになりません。生かされていることに気付き

「世の中、我(われ)が我がのを捨ててお陰お陰のに生きる」

亡父の物言を昇華したものがこの事だったのです。遅かりしかな悔いても詮なし。凡夫たる所以なり。

往く道は定まりました。生かされている命に報謝、微力ですが社会貢献を継続したい。
幸いにも頑健にして病知らずですが、自然の摂理には逆らえません。明日ありと思わず、日々あるがままに、報恩の心で生きたい。

すべての「お陰さま」で生きていることに感謝、笑顔溢れる平和な世界が見えています。
                                         おわり

※修了生本人の承諾を得たうえで掲載しています。

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