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せんだい豊齢学園特別講座「伊達政宗の書状あれこれ」レポート

 令和3年度第1回目の特別講座を、6月30日にシルバーセンターで行いました。休講が続く豊齢学園の入学・進級予定の方々とお会いできる、数少ない機会です。前回同様のマスク着用や体調確認などの感染症対策をとり、22人の受講者の方にお越しいただきました。

 今回の講座は、仙台市博物館の明石治郎さんを講師にお招きし、伊達政宗の書状のありさまを概観し、政宗の書状によるコミュニケーションが垣間見られるお話を伺いました。先生は仙台市史編さん室に勤務すること二十数年、現在は仙台市博物館で伊達政宗文書をはじめ、古文書の調査や紹介をされています。

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 講座では、書状の形式や花押の種類といった古文書の基礎的な話から始まり、政宗の花押の移り変わりを図で示してご説明いただきました。書状の書き方や花押の種類から、相手との関係性や距離感などが読み取れるそうです。今日は先生に教えていただいたので何となくわかったものの、資料が次のページに移ったとたんに、もうダメです。博物館で展示品を解説してくれる学芸員の方のすごさが、よくわかりました。受講者アンケートにも、「大変書状を研究されていると思われました」や「古文書の解読は関心ありますが、難しいことがわかりました」の感想が書かれていました。

 政宗の書状は、総数・自筆書状の数のいずれも、たいへん多いことで知られているそうです。親しい相手には自筆にこだわったということですが、受け取ったほうも特別な重みを感じたのではないでしょうか。また、自筆書状そのものを欲しがったコレクター的な人のエピソードもご紹介いただきました。当時の江戸でも、政宗のカリスマ性は既に顕在だったのですね。

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 数千を超える膨大な書状の一端をご紹介いただいた、今回の講座。スケールの大きなテーマだっただけに、「内容が豊富ですが、時間が足りないのが残念です」という感想を、アンケートに書いてくださった方がいました。アンケートにはこの他にも皆さんから様々なご感想をお寄せいただき、学園休講期間中は学園事務局からの一方通行になりがちだった皆さんとのつながりを、改めて実感できた講座でした。