見出し画像

ベステラ[1433] レビュー

http://www.besterra.co.jp/index.html

【事業概要】

大型プラントの解体。工場ではなく、鉄で出来た大きな装置を解体。
例えば、ボイラー・煙突・溶鉱炉・石油精製設備など。
主に現場の監督・施工管理を行い、実際の工事は外注している。
取得特許が14件。解体工法特許。

工事は外注のため、工事用重機や工事部隊を保有しないことでリスク回避をしている。

・リンゴ皮むき工法について

球形ガスタンクなどの解体に用いられる工法。
タンクの天井から切除し始めるが、切りとられた部分は重力にしたがってそのままタンクの下方へ流れ落ちていく。そして、切除した鋼板は蚊取り線香のように綺麗に並ぶため撤去も簡単。仮設足場も必要なく、作業員への危険性がほとんどない。画期的な工法である。

「強み」

①製鉄・ガス・電力・石油等の大手企業のエンジニアリング子会社を中心とした優良な顧客基盤を有している。
②約40年間のプラント解体工事実績に基づくプラント解体トータルマネジメントを提供している。
③特許工法等の知的財産
環境対策工事等に根ざした様々な技術やノウハウは、顕在的または潜在的に知的財産としての強みがあり、特許工法は取得済み14件・申請中5件と多数保有。

「業績」2013年→2014年→2015年→2016年 (百万円)
売上高 1,452→2,056→3,060→3,846
営業利益 -6→176→384→447
営業利益率 -%→8%→12%→11%

「今後」

・技術力の向上
①特許工法
②ロボット工法
・環境対策工事の強化
③環境ソリューション(PCB・ダイオキシン等)
・TDSM
④3D計測 BIM・SIM
⑤HRソリューション

【5段階評価】 

成長性:4 今期は前期比22%増の売り上げを見込む。実際に受注済みの文が半分ぐらい入っているので実現可能性は高いのでは。長期目線では、解体工事自体が国内で増加の一途をたどることは考えにくいのでそのうち頭打ちになりそう。ただし、海外展開した場合は話は別で右肩上がりの成長が可能だと思う。

収益性:5 営業利益率10%前後。建設業界の営業利益率は高くても5%強ぐらいなので非常に高い数字では。自社で保有するものを絞っているのが大きいのかな。

財務健全性:3 自己資本比率63% 有利子負債比率5%。健全。でも営業キャッシュフローがプラスなら5点やったけども。。

市場における優位性:5 ①リンゴ皮むき工法に代表されるような特許工法を保有していること。②優良な顧客基盤を保有していること。ただし、個人的には「解体工事」という分野なので幅広い顧客と付き合っていった方がいいと思う。同じ会社が何度もプラント解体するわけじゃないので。③約40年の実績・ノウハウがあること。そもそも、解体業初の上場。

割安感:3 PER35倍 PBR5倍。普通くらい

事業リスク:IRにいっぱい書いてるけど、この分野には詳しくないのでよくわかりません!でもリスクは比較的高い業界であるイメージです。箇条書きしますと
①法的規制②労働災害③設備投資動向の影響④スクラップ等の有価物見積もりリスク⑤予期せぬ事態による追加工事発生⑥工事進行基準の見直しによる原価変動⑦大型工事の遅延⑧主任技術者の確保⑨工事が第一・第四四半期に集中する季節性
特に追加工事や遅延はありがちなリスクな気がする・・・

総合評価:5 本当は4をつけようと思いましたが、経営者補正で5にしました。吉野社長は動画を見る限り、立派な人だと思いました。いろいろな苦労を乗り越えてきたこと・リンゴ皮むき工法への想いが伝わってきました。必ずしも解体は設置の逆手順を踏む必要はない。この考えは普段の仕事にも生かしていきたいと思います。他にはない業種なのでお金があれば買いたいなあ。。。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?