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稲垣匡人さん(daisy*)デジタルアート作品紹介

デジタルハリウッド大学院の修了生であり、デジタルアーティストとして支援している稲垣匡人さん(daisy*代表)の活動を総括するドキュメンタリー動画「A documentery of daisy* | Masato Inagaki “Serendipity”」が公開されました。私もコメント出演しています。

「OIL by 美術手帖」での作品販売も開始しました。

この機会に、稲垣さんとの関わりをまとめつつ、敬愛する稲垣ワールドの一端に触れたいと思います。

デジタルハリウッド大学院 修了生

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稲垣さんはデジタルハリウッドの専門スクール1期生であり、専門職大学院の13期生。当社・本学とは歴史的にも深いご縁があります。私は、大学院のネット広告を見かけて大学院に立ち寄った稲垣さんに学校説明をしてからのお付き合いです。写真は、2017年度の成果発表会。現代美術のドメインにおける、テクノロジーを活用したアート作品のマーケティングについての研究発表でした。

「そのビジネスは、世界を幸せにしているだろうか。」という問いを掲げて、修了生の手掛ける事業の力になろうとしていた私たちは、産学協同でこのプロジェクトに参画しようと決めました。

『麹町勝覧』

ゲームAIを搭載し、二度と同じ風景を見せることが無いリアルタイムグラフィクスの作品。江戸の町並みをぼんやり眺めていると、いつの間にか時間の流れに没入していくような不思議な体験をもたらします。動画のように2面の壁に大きくプロジェクションするエディションもあれば、凝った額装とともに変則の横長ディスプレイに映すエディションもあり。この作品を販売するギャラリストになりたい、と思いました。私たちがアーティスト支援、現代アートの学内展示に注力するきっかけとなった作品です。

『HAKONIWA』

顔を3D スキャンすることにより自身がアバターとなり、その場で仮想空間に入り込むことができる作品です。クラシックなゲームコントローラを使って自分を観察したりいたずらすることにより、鑑賞者に現実世界とは違う体験をもたらします。レトロ(ファミコン時代)な手触り、ぼんやり時間が経ってしまうような独特の没入感は『麹町勝覧』とも共通しているように感じます。

アートはサイエンス展

プロジェクトが動き出したのは、こちらの展示が実現した時期でした。軽井沢ニューアートミュージアムの館長に稲垣さんを引き合わせると、意気投合。気づけばデュシャンから始まる展示に連なり、1期・2期とも広告のメインビジュアルに採用されました。

デジタルアートのマーケティング研究

2018年から、デジタルアートの価値を探求するとともに、現代美術のドメインで流通できるようになるための活動を始めました。下記は開始時のプレスリリースに掲載した内容です。

近年、デジタルテクノロジーを使ったアート作品が認知されるようになってきました。今後は多様性が加速し、作品自体のクオリティが問われるようになると考えられています。現代美術としてこれらの作品が扱われる領域は、日本ではまだ確立していませんが、世界的に見るとゲーム市場規模並みの発展を遂げています。

稲垣匡人氏は、デジタルハリウッド大学大学院在籍時より、クオリティの高い作品制作を現代美術というドメインで志しつつも、世界を見据えて評価と対価を得られる方法を研究してきました。世界に通用するクオリティを目指して製作したオリジナルコンテンツは、産学官連携センターの紹介を契機として、草間彌生氏等の個展実績をもつ軽井沢ニューアートミュージアムの「アートはサイエンス」展に展示され、テクノロジーを使った現代美術の今後の流れを示唆しました。

こうした実績を踏まえ、デジタルハリウッド大学 産学官連携センターは、稲垣氏の作品製作の支援をするとともに、デジタルコンテンツテクノロジーを使ったアート作品が現代美術における次の大きなムーブメントになり得ると考え、このドメインでのマーケティングに関する共同研究を開始する運びとなりました。

こちらはその一環で出展したデジタルコンテンツEXPOのプレスリリース。私は企画・プロデュースを担当しました。

デジタルハリウッドに常設展示

御茶ノ水のキャンパスで『麹町勝覧』をはじめとする作品展示を行っています。修了生のアウトプットを在学生に示し、購入を検討する社外・学外の方がいつでも見学できるギャラリーとしました。出張展示の引き合いも増え、多くのスタッフが来訪者向けに作品の説明ができるようになっていきました。

蔦屋家電+での展示

次世代型ショールムームとして、スタートアップ企業のプロダクトが展示される蔦屋家電+(二子玉川)で2度の展示を行いました。

美術手帖 Web版記事掲載

これらの集大成で、先日、ドキュメンタリー動画の公開と、トークイベントが開催されました。

稲垣は昨年の10月より渋谷ヒカリエで開催されたアートとデザインの展示会「DESIGNART TOKYO 2020」に作品を出展。また、この3月にはこれまでの活動を総括し、そのクリエイティビティに迫るドキュメンタリー動画「A documentery of daisy* | Masato Inagaki “Serendipity”」も発表した。稲垣へのインタビューを交えつつ、デイジーと稲垣のこれまでの軌跡と今後の展望を探る。

引き続き、稲垣さんの活動を応援していきます。


ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます。つたないものですが、何かのお役に立つことができれば嬉しいです。