量と質

色々なスポーツを見るのが好きだが、どのスポーツにも共通しているのが進化していると言う事。僕がやっていたラフティングやカヌーも然り、YoutubeやTVで
よく見る野球、サッカー、バスケ、ラグビー、どれをとっても昔より明らかにレベルが上がっている。その要因としては、戦術が磨かれ、アスリートのフィジカルが上がり、感覚も数値で可視化出来るテクノロジーの進歩により安定したパフォーマンスを出すスキルの習得と向上など要因は色々あるだろう。

YouTubeで良く八村選手のLakersの試合のハイライトを見るのだが、この前recommendで昔のBullsの映像があって久しぶりに見た。今のバスケットボールと比べると動きも戦術も違う。感じるのは、選手の個人技の向上、特にゴール成功率の高さだ。トラベリングが昔よりlooseになって選手たちの動きの自由度が上がったこともあるのかもしれない。

野球で言うとピッチャーの投げる球速が違う。昔はストレートが140km台のピッチャーが多かったけど、今は150km.160km出すピッチャーがバンバンいる。ボールの回転数なんかも可視化され、ストレートのノビや変化球の曲がり具合もデータで見ることが出来る。

最近のアスリートがどんなトレーニングをしているのか良く知らないが、トレーニングは量か質、どちらが大切かみたいな議論が良くある。

僕なりにと言うか僕はどうしていたかと言うと完全に量をこなして成長してきた。特に20代の頃はとにかく練習した。チーム練習が午前午後合わせて5時間くらいだったが、それプラス2時間は毎日練習した。カヌー漕いだり、筋トレしたり、から漕ぎ(野球の素振りみたいなもの)したり、プールに行って2-3km泳いだり、走ったり。クタクタになるまでやってしっかり飯を食べて寝る。そんな毎日だった。量をこなすことに、自分の限界値が広がることもあるが、反復練習することで身体に動きが染み付いていく事を重視していた。なぜならレースの時、特に世界選手権の時は毎回緊張する。緊張はコントロール出来ないので、どんなメンタルの状態でも身体が勝手に動いてくれたら、いつでも安定したパフォーマンスが出せるのではないかと考えていたからだ。あとはキャプテンとしてボートに乗っていたので、冷静に状況を判断して指示を出したり、チームメイトをmotivateすることが多かったので、全力とは言え少しバッファを持てる様に自分の8-9割を高くすることを意識していた。なので地味な反復練習、長時間の漕ぎ込みなんかも嫌いではなかった。
プラス、漕ぐ動作は身体をいくら鍛えても水掴みが悪くて力がpaddleに伝わらないとボートは前に進まない。出力側を鍛えるのも大切だけど水掴みは漕がない限り身に付かないのでたくさん漕ぐ様にしたし、水泳もその為にやっていた。

感覚がテクノロジーの進化で客観的な数字などで視覚化されより分かり易くなってきた時代。とは言え、水掴みの感覚はまだ数値化されてないんじゃないかと思う。掴む水が川の流れの様に動いていれば尚更数値化するのは難しいと思う。だからこそ、実際にボートに乗りたくさん水に触れる事、量をこなし、身体に染み付かせるって事は大事なんじゃないかと思う。その結果として質、ここで言う水を掴む感覚が上がると信じていたし、今もそう信じている。

何となくだが、ビジネスも同じなんじゃないかと思っていて、だからこそ、今もがむしゃらに量をこなそうと思っている。そのうち質が上がっていくことを願って。

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