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ラフティング旅:モンゴル#2

モンゴルの滞在は10日あまりだったが、その内建物で寝たのは最終日の1日だけ。後はテントかゲルだった。基本的に草原の中で過ごしたので、モンゴルらしいといえばそうなのだが、テント泊も4日目くらいになると疲れてくる。もちろんシャワーもないので川で水浴びするのだが、水が結構冷たいので気持ちよく水に浮かぶなんてことは出来なかった。

この期間、食事は肉が中心。羊が多かったが美味しかったのはモルモット。大きなモルモットを首からカットして内臓や肉を取り出し、焼いた石と肉を交互に身の中に入れ、周りの毛も焼いて食べる。これがびっくりするほどうまかった。

レースが終わり、参加者の人たちとダウンリバーをしようと言うことになり、8人くらいでダウンリバーした。初見の川だったが、前に降ったことがあると言う人がナビをしてくれてレース区間よりも下流を下った。グレード2-3の瀬が続いて楽しいダウンリバーだった。途中川が大きく左にカーブしているところがあり川の内側を進んだが思っている以上に壁の方に流れが行っていて壁との衝突が避けられなかったので、ボートをまっすぐ壁に当てたがすぐに横向きになりひっくり返った。乗っていたみんなが川に投げ出され、ボートはそのまま壁にラップした。しばらく流されて、全員岸に泳ぎ着いたが、生きた心地がしなかった。ボートを剥がそうと試みたが水圧が強く剥がれなかったし、夕暮れが近かったのでボートを諦め、もう一つのボートに乗ってその場を去った。予定のゴール地点に到着出来ず、途中の崖を這い上がってキャンプ地に戻った。幸い怪我人はいなかったけど、ラフティングをしている中で死ぬかもしれない、人を死なせたかもしれないと思ったのはそう何度も無いので、良くも悪くも一生の思い出だ。ボートは翌日、参加者の中にクライマーの人がいて、ロープで壁を降りてボートにロープをひっかけ4WDの車で引っ張って剥がした。

ハプニングといえば、この日テントに戻るとテントに置いておいたIphoneが盗まれた。草原の真ん中でだ。遠くの方から狙われていたのだと思う。主催者の人が警察に連れて行ってくれて、盗難届を出したが、もちろん返ってくる可能性は0でそのまま日本に帰国した。

気分が落ちることを書いたが、基本的に楽しいことの方が多かった。みんなでゲルの中で食事をしたり、夜は焚き火を囲んで踊ったり、ラフティングをみんな楽しそうにやっていたり、なかなか出来ない経験だった。
モンゴルの西の方にはすごい激流があるなんて話も聞いた。もう激流を追いかける歳じゃないけど、世界には自分の知らない川だらけだ。これまでいろんな川に行ったけど、死ぬまでに行きたいのはアラスカのユーコン川だろう。野田知佑さんのユーコン漂流は10回以上読んだので、脳の中では下っているのだが。

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