アートはビジネスの役に立つか
アートとビジネスの関係について考えてみた。
長年、美術展や写真展を観に行くことが趣味というか暇つぶしの方法だった。美大のデザイン料を卒業して会社で多少デザインの仕事をしていたものの、自分で作品を作ったりアートについて深く考えるようなことはあまりなかったのだが、自分が好きなことをもう少し深めたいと思うようになり、特にアートと主体的に関わりたいと考えていた。
一方世の中で「アート思考」とか「アートはビジネスの役に立つか」といったことをテーマにした書籍やトークイベントをよく見かけるようになり、自分もそれを見聞きしていた。
■山口周『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」』
■増村 岳史『ビジネスの限界はアートで超えろ! 』
■トークイベント「六本木アートカレッジ」
■トークイベント「クリエイティブを学ぶ」
加えて、家の近くで大人向けのアートワークショップが開催されているのを見つけて毎月参加するようになった。
「UMUMアートラボbiz」という、アートとビジネスについて手を動かしながら考える研究会で、ワークショップでは参加者が自分で様々な画材を使い時間内にアート作品を作ってそれを皆で鑑賞し意見を伝えあう。
その体験を通してアートと自分の関わりや世の中への影響について理解を深めるというもの。
昨年末にはそれを一般の人達にも体験してもらうワークショップの企画運営に参加した。
自分が参加者として体験したり、主催したワークショップで参加者の声を聴き取ったりした中で、「アートがビジネスにどのような面で役立つか」について、おぼろげながらいくつか見えてきたものがある。
それを今とりあえず書き出してみた。これは自分の頭だけで考えたものではなく、本やイベントで語られていたことや、ワークショップで参加者が発言していたことをなるべく抜けもれなく出して整理したものだ。
ビジネスを「個人」の場合と「組織」の場合に分けてアートの効用を並べてみた。またここでいう「ビジネス」は職場でおこなう仕事だけではなく、家庭や生活の中で創意工夫しながらおこなう仕事に類することも含まれる。
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▽アートが個人に役立つこと
「能力アップ」
○表現力 ○創造力 ○観察力
○バランス力 ○変化への対応力
「自己内省」
○自分を知る ○心の整理・余裕
「他者理解」
○多様性への寛容 ○他者からの影響
「生き甲斐・価値」
○楽しさ ○肯定感
「脳の活性化」
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▽ アートが組織に役立つこと
「イノベーション」
○問題提起 ○挑戦する習慣
○創造力・発想力・差別化
「判断力」
○感性 ○バランス・中立性
「コミュニケーション」
○チームワーク ○顧客との相互理解
○多様性・他者理解
○商品・サービスの質向上
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それぞれの項目が具体的にどういうことか、説明は今度書くつもり。
最近は自分でもアートを取り入れた仕事をしたいと思っている。自分の勤め先の会社の中であれば、ブランディング、商品開発、サービス開発、社内外コミュニケーションなどがあるだろうし、個人的な活動でもやってみたい。
昨年まではアートとビジネスの関係について見聞きしてきたが、今年は何か実行に移していきたい。ただ自分がアートを語るには知識も経験も全く足りていないのでもっと勉強したり制作体験をしたいなと思っている。
いずれはアートを自社や他の組織のビジネスに役立てるためのディレクションができるようになりたい。
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