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リーダーの資質

(2020年3月19日木曜日)
 2008年度に学生主体の国際学生交流団体(AAEE, アジア教育交流研究機構を立ち上げ、今年で12年目となる。(詳細は→https://19b0304.blogspot.com/2020/03/blog-post_17.html参照)
と言っても最初の6年間は主に国外のアジア地域でのネットワークの構築に注力し、日本国内でその存在を知るのは私が勤務する大学のゼミ生や私の家族に限られていた。
2013年に一般社団法人化してからも限られたメンバーで勉強会を継続し、実験的な国際交流プログラムを通じてAAEE教育メソッドの教育効果の検証を重ねてきた。毎年国際学会で報告し、世界中の教育実践者からご助言もいただいた。小規模な活動を持続させることで、教育に関する新たな知見を得て世の中に還元できればいいと考えていた。

(1) 学生主体

 AAEEの活動理念の1つは学生主体であることだ。各国の教育関係者がしっかりとサポートするが、計画し行動するのはあくまで学生たちである。成人を迎えて間もない大学生集団が現地の政府や国立大学も巻き込む国際交流プログラムを企画・運営することは、賛否両論があった。しかし、もし我々の理念に大きな欠陥があったとすれば、これまでに27回もの交流プログラムを開催することはかなわなかったであろう。

(2)学生リーダー

 学生主体の団体において、学生リーダーが果たすべき役割は極めて重要となる。日本国内でのリーダーシップに加え、教育関係者(日本の場合主に私)との協働、現地学生との協働が求められる。
ただでさえアジア諸国で2週間もの間、異国の学生と24時間一緒に過ごす異文化交流は容易ではない活動である。その上リーダーは中心となって活動をサポートするため、プログラムの狙いや意図の次元まで深く熟知する必要がある。そこまで熟知するためには当然長い時間をプログラムに捧げることになる。大学生活におけるプライオリティの一番上にAAEEの活動を持ってこられるくらいの覚悟がないとなかなか難しい。日本国内ではまだまだ知名度の高くない団体で無償ボランティア。これほど多くの条件を課されてなお、リーダーをやりたいと名乗り出るような学生が果たしていたのか?と思われるであろうが、なぜか毎年1人いた。その人たちは、常に私と連絡を取り続けてAAEEを取り巻く状況を把握し、プログラムを構築し、他イベントに参加して情報収集し、外務省やJICAなどとの連絡もこなした。

(3)AAEEリーダーの特徴

 AAEEの活動が国内で本格化してきた2015年から現在まで、日本では5名の学生がリーダーとして活動を支えてくれた。内一名は私自身の息子なので議論から除外するが、それ以外の4名に共通するものは何か、ふと考えてみた。すると以下の3つの共通項目が見えてきた。
① 何かしらのフラストレーションを持つ人
② 潜在力がある人
③ 異文化交流活動や国際協力に興味がある人
④ 自己と真剣に向き合う人
以上の四点を持っていることが多いように感じる。それぞれどういう意味か以下に解説を付す。

① 何かしらのフラストレーションを持つ人

 自分の実力を発揮するチャンスを与えられずにモヤモヤとしている人。その時点で周囲からあまり注目されていない人。

② 潜在する実力がある人

 リーダーとしての力を発揮するために最低限の能力や知識、精神力は備えている人達である。といっても、ここでいう能力、知識とは学校の通知表での尺度とはかなり異なるため、「え、まさかその人」と意外に思われるような人がリーダーとなることもある。もちろん奇を衒った選考をしているわけではなくあくまで本人の希望でリーダーは決まる。おそらく実力を備えていない人は希望してこない。もしくはリーダーとして続かない。

③ 異文化交流活動や理念に興味がある人

 何よりも大切なのは異文化交流活動に深く興味を示している事だ。「私の履歴書#1」でも書いた事だが私自身「少年時代から、やりたくないことは生産性が極端に落ちる」性格の持ち主だった。(https://19b0304.blogspot.com/2020/02/1.html)

④ 自己と真剣に向き合う人

 一度しかない大学生生活、貴重な時間を費やしてくれるのだからこの活動を通じて地球市民として大きく成長してほしいという思いがある。そのためにはただ言われたことを事務的にこなすスタンスの人だと、たとえその作業が完璧であろうとリーダーとしては通用しない。常に自身の生き方を模索し、この活動を自分の生き方とインタラクトさせることのできる人である。

(4)予告

 次回の記事では実際にリーダーを務め上げた一人を例にとりつつ、リーダーシップについてより具体的に深めて語ることを予定している。

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