愛着とは🌿やまもとさん
水曜レギュラーのやまもとさんです。
日常さりげなく使う「愛着」という言葉。改めて考えると面白いのです。
辞書で調べると、「人や物への思いを断ち切れない事」「アタッチ(接近)を通じて安心感を回復・維持しようとする傾向」などと出てきます。
それを踏まえて、私は愛着とは思い出(記憶)なのではないか?と思っています。
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福岡伸一「福岡ハカセの本棚」より
「私たちの体を構成する分子は絶えず入れ替わる。私たちの自己同一性を担保するものは、少なくとも物質レベルでは何一つありません。では、何がアイデンティティとして私たちを支え、私を私たらしめるのか。それが記憶だといえないでしょうか。」
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このような言葉を本で読んだのが一つのきっかけです。
「流行」という言葉があるように世界・人間は常に変化していき、昔好きだったのに今はガラクタ…そんなこともよくありますよね。
「愛着が生まれる位の思い出(記憶)」があったのか?という事が、モノと人間の関わりに大きく影響してくるのだと思います。
では、どういうモノが記憶にのこるのでしょうか。
実際に人に10年かけて愛用しているものはなんですか?という問いをしてみると、時計・革靴・カバン・デニム…などなど。意外にも共通する項目があることに気づきました。
① ストーリーがあるもの…歴史のあるもの・思い出のもの・手作りのもの
② 触っていたくなるもの…触れる頻度が多いもの
③ 飽きないデザインであること…シンプルなデザイン・シンプルな素材であること
④ メンテナンスできるもの…無くならない素材・直せる素材であること
皮肉にも、大量生産・大量消費の現代の世の中にあふれているものとは真逆なものという結果に気づきました。
愛着の持てないものに囲まれて暮らす生活では「買う・捨てる」のサイクルの中から永遠に抜け出せません。
社会にモノがあふれかえっている今、一生の伴侶とも言えるモノに囲まれて暮らす生活こそ、本当の「豊かさ」と言えるのではないかなと思います。
…と、そんなことを思いながら愛用の椅子のご紹介で締めたいと思います。
ハンス J. ウェグナーのデザインで、1950年からずっと生産されている名作「Yチェア」。苗字も名前もYなのでその時点で愛着が生まれているのと、木部は自分でメンテナンスできるし、ペーパーコードも貼り替えが出来ます。
椅子の後ろには一脚一脚番号が印字されたプレートがあって、自分のために誰かが手作業で作ってくれたものなのだと思うとまた大事にしたくなるのです。。
(実はこの文章、入社1年目に書いた文章です。当時この記事をお渡しした方がまた見てくれていたら嬉しいな…という思いも込めて☺)
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