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【イタリア】濃霧で幻想的な夜

昨日の朝は、半年ぶりに日本人の友だちと再会しました。


前日の仕事で起こったモヤモヤは、
彼女とのマシンガントークで
あっという間に消え去りました。

日の当たるカフェでただ会話をするだけなのに
なんでこんなに豊かな時間なんでしょう。

朝の日差しは穏やかで心地いい。
しっかり充電することができました。





夕方、夫が帰宅し、
霧でびしょ濡れだと言うのです。

またまた大袈裟なんだから〜

なんて思って私も外へ出ると
こんな世界が広がっていました…


こんなに深い霧を街で見るのは初めて。
人が模型のように見えます。

画像左側はロータリーの合流地点で、車が連なっています。
右側の紫色に光っているのは石像です。


ちなみに、いつもの広場はこちら

普段の夜の様子
もう一度濃霧の広場

何度も見比べたくなります。

濃霧の中にいると、なんだか個室になったように、
囲まれた空間に感じます。

音の響きが変わるのでしょう。
でも、街の喧騒やクラクションは聴こえる。
イヤホンをつけたような感覚に似ています。


ここまで霧が深いことは、この街では珍しいらしく、
口々に「ミラノじゃないんだから」と言っていました。


イタリアの都市と霧

ー ミラノ ー

Instagramで見つけたミラノ大聖堂と霧

しかし、調べてみると、
ミラノでは以前ほど霧は発生しなくなったようです。
気象の変化でしょうか。
遠く離れた街では、過去の印象を抱いたままなのか、
ミラノのようだという声を聴きました。


ー フィレンツェ ー

10年前に住んでいたフィレンツェでは、
何度も霧を体験しました。
目が霞んでいるのか霧なのかの区別は、
あの頃に学びました。



ー ヴェネツィア ー

運河を張り巡らすヴェネツィアは、
湿度が高く霧が発生します。
近くにあるムラーノ島やブラーノ島では、
カラフルな家が立ち並ぶ風景が
映えるスポットとして観光客に人気です。

このような派手な色になったのは、
可愛さの追求ではなく、

濃霧でも家を見つけやすくするため

発色のいい外観にしているようです。
先人の知恵から来ていたんですね。


街灯の色の意味

さて、街の話題に戻ります。

広場から先へ進むと、私の街にもヴェネツィア地区があります。
要塞の周りにお堀が巡らされていることから、
同じ名前で呼ばれています。

水辺に近い地域は湿度が高くてさらに冷える。
かつてここに住んでいた頃は、カビとの戦いでした。

風景は美しいのですが、見えないところで
みんな苦労しているのでしょうね。

霧に包まれたヴェネツィア地区。


街灯やクルマのテールランプ、お堀の灯りのほか、
中央にひときわ目立つ強い光があります。

これは、橋の欄干にある石像へのスポットライト。
反対側の街灯から一直線に当てています。
光線を受けた銅像の影が橋の中央にうっすら見えるでしょうか。

イタリアの街灯は、道路や交差点を明るくするだけでなく、
教会や石像などにも光を当てています。
夜でも重要なものであることを無言で示しています。


街灯の色にも違いがあることに気づきました。

車道を照らすのは、上部から白に近い黄色。
歩道の光は、強い黄色で柔らかな印象さえも受けます。
お堀にある船には白色です。夜や早朝にでも
作業しやすいようになっているのでしょう。


計算された街灯は、建物の色や形が違っても、
統一された心地よいリズムを感じられます。
いくら道にゴミが落ちていようも、整って見えるから不思議。
どこから撮っても絵になるのには理由があったんですね。


今朝起きて、また続いていたらいいなと
期待して窓を開けましたが、よくある曇りの日でした。
幻想的な風景は束の間だから価値があるんですかね。

今日はそれほど湿度は上がらない予報。
やはり昨日は特別だったようです。

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