見出し画像

【イタリア】夫婦喧嘩を言語化したジェーン・スーに感謝

以前、日本のAmazonで本を注文し、
わずか3日後に手元に届いた時には、
日本の配送システムに度肝を抜かれました。

ヨーロッパであっても日本の地方並みの速さ。
もはや、売れる本はヨーロッパのとある拠点に
スタンバイされているのかと思うくらい。
おそらく航空システムに枠があり、
そこに乗ってくるんだとは思うけれども、
見事なシステムに脱帽する以外ありませんでした。

それから5年は経ったでしょうか。
今となってはもう本を手に取ること自体が少なくなりました。
イタリア語の本を読むほど語学力はついていないし
集中力もなけりゃ、読む時間は優先的に削ってしまう。

本とは縁遠い日々でしたが、
先日、買いたい!と思うようになりました。
5年前に注文した本と同じ作家の新著。
私もみんなの流れに乗りたい‼︎と気分が高まりました。

今回は、電子書籍 Kindle の出番です。

"みんな" とは、ラジオリスナーのこと。
毎日聴いているTBSラジオ 朝の生ワイド
『ジェーン・スー 生活は踊る』のメインである
生粋日本人のパーソナリティ  スーさんが
連載で書いていたものを一冊にまとめた本。

『おつかれ、今日の私。』

この本を購入したリスナーたちは、
インスタでこぞってストーリーズに
「買いました」「読みます」「気に入った」と
投稿を行っていて、それをシェアするスーさんの投稿を見て、
私もみんなと同じように、並びたいと思ったんです。

スマホで購入。
ほんの数秒で本を手にすることができました。


本も映画も、始まってしまうと終わりがある。
だから、急いで読みたくなくて、じっくり味わいたい。
短編が連なっているから、一晩ずつ読もう。
と思っても、彼女の文章はそうさせない。
もう一つ、また一つと先へ進んでしまうんです。



話は変わりますが、
おととい、夫とプチ喧嘩になりました。



と言っても大声で怒鳴ったり、罵ったりはしません。
冷戦です。あっ、ドアはバタンッ‼︎と締めました。

何があったかというと、15時過ぎに連絡があり、
「今から帰るから、昼食を準備してほしい」とのこと。
私もレストランのランチ営業から帰ってきたところ。
食べないでいようと思ったけど、せっかくなら
一緒に食べようかと料理し始める。
その傍で家中の片付けや整頓をしていく。
この後の夜の営業までにどうか身体を休めたいけれど、
食べないと体力がなくなるから
ササッとでも栄養あるものを用意していく。

準備してしていると夫が帰宅。
疲れた表情でテーブルにつき座りました。

こちらはまだ料理中。
まもなく完成というところ。

ですが、テーブルはフォークやナイフ、
カップやナプキンなどが揃っていません。

だから夫に、
「私たちはグループです。
昼食を食べるために協力しなければなりません。」
と伝えました。が、それでも動かず。

さらに付け足す私。
「もし、はやく食べたいのなら、食卓の準備して」と。
するとゴタゴタ言い出したのです。

私も働いていて、この後の仕事に行かないといけない。
休みたい。でも作っている。夫は座っている…


カチン


やーめた。家事終了!


ストライキの開始です。
勝手に食べてとキッチンを出ました。


悶々とイラッとする。
あんたのために私、どれだけ家事やってるか。
ここに書き綴ったって何の意味もない。
見ているあなたが不快になるだけ。
モンモンモンモン…

何度も頭の中で場面を思い浮かべては
グルグル再生し続けている。
キレてはいけないと言い聞かしながらやっぱり癪に障る。


話をKindleに戻そう。



布団に入り、本を開く。
ちょうど58頁に入った。
「上手に休むのも能力だ」の章。
読み進めていくと思わず息を呑んだ。



やってほしいことをやってくれない人が視界に入るから、気持ちが削られてしまうのだ。

おつかれ、今日の私。』より


これダこれダこれダーッ!!!!!

世の中ならぬ家の中で一番嫌いなこと、
家事を協力せずに寛いでいる姿を見る


これだったのか、今までのモヤモヤは!
見事に言語化したスーさんに感謝したい。
わだかまりの一部がスーっと流れて行きました。


これまでは、私だけがやっているみたい。
私だって何もしたくない。座っていないで
一緒に作業しようよ。などと、いろんな想いが
混じり合ってストライキへと突入しました。

これがたまにやって来るんです。


それが本を読んでいてこんな文章に出会ったもんだから、
私の考え方も少し変化しました。


すぐさま冷戦中で会話をしていなかった夫に、
メッセージを送りました。スーさんの言葉を丸投げ。

既読スルーで返事はありません。


ですが翌日、昼食を作って待っていてくれました。

おおッ、何か変化したようです。

ですがストライキ中の私はキッチンにも立ちたくない。

ポケ丼を食べて帰ったんです。

作ってくれて申し訳ないけれど、これは私の意思表示。
また明日にでも食べればいいんだから。


ということで、徐々に心を開いていった私たち。


今朝、出かける夫を追いかけて、ハグで仲直り。
でもお互いに「ごめん」とは言わない。
だって二人とも悪くないもん。

たまたま疲れていただけ。
こうしてまたいつもと変わらない一日を過ごす。
これでいいんだ。

我が家の夫婦喧嘩。
問題が小さすぎて笑えると思います。
今となっては自分でも笑える。

ほんと、私もおつかれさま。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?