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イタリアでLINEが広まらない理由 その①

イタリア人の特徴

ありのまま

イタリア人は、陽気な人種だと思われているが、本当にそうだと感じる。良いことがあったり、強い想いを伝えてくる。それと同時に、怒りを露わにする人たちだとも思う。気に入らなかったり、納得できないことは、とことん突き詰める。でも、諦める潔さもあるから気持ちがいい。
つまりは、感情を包み隠さずありのままなのだ。または、そうしてもいい文化圏と言える。

喋りたがり多し

陽気なうえに、イタリア人はよく喋る。家族や友だちと会って話すことはもちろん、電話もよくする人たち。一日に何人と話をしているのだろうと思う。恋人・パートナー・親など、用件があってもなくても、暇になったと時に電話する。バスの運転手も、片方にイヤホンをして通話しているなんて珍しくない。

他人に気兼ねなく

また、見ず知らずの人と話をするなんてことも日常茶飯事。知らない人と道端で、スーパーの買い物中に、カフェの隣にいる人と、バスの中など、あちこちで会話が生まれは消えていく。その内容は、他愛もないもので、ニュースの話題、その場の状況について、あの店は美味しいなど。

独り言も御手の物

さらには、一人でもブツブツ言っている光景もよくあるから、もう驚かない。例えば、キッチンで「魚はこのお皿に盛って、グラスは波模様の入ったものにして、ナプキンはそうねぇ〜 貝殻をあしらったこの柄にしようかなぁ〜。あっ、この組み合わせいいじゃん!決まり〜♪」なんて、独り言をそのまま口にする。聴かれてもいいし、聴いてリアクションしてくれてもいい。そう、ゴキゲンさんだ。
もちろん、怒って意見を聴いてほしいと訴える人もいるが、基本的に私はそんな人を無視する。飛び火を受けたくないからだ。

イタリア人は、寂しがりやなのかもしれない。電話をしたり、メッセージを送ったり、暇があればスマホを手に取り、常に誰かと繋がっている。


LINE イタリアで人気ならず

2013年、LINEはイタリア語のスタンプを作り、新たな顧客を掴もうとした。あらゆる媒体で大々的に宣伝をしていた。スタンプ文化が薄いイタリアで、ちょっと気になった人はいると思うが、人気のアプリを超えることはできなかった。賑わいだのは、イタリアに住む日本人や日本に興味あるイタリア人だけだっただろう。

イタリア語のスタンプ

ちなみに、無料のスタンプはこちら。
Moonがイタリア語を話している。出回った当時、語学留学に通う日本人の友だちと、このスタンプを送り合って遊んでいた。

LINEより

イタリア人は、ジェスチャーだけで会話ができると言われているほど、言葉と感情と動きが連動している。だからスタンプにすると、一目瞭然。絵でだいたい理解できる。

ちなみに、スタンプの意味は、左上から、
「スキ」、「何?」、「あちゃー」、「どういうこと?」
「OK」、「お願い!」、「興味ない」、「監視しているよ」

他に、こんな愛らしいものも。

LINEより

このスタンプは今でもたまに使う。イタリア語を知らない人でも受け入れやすいと思う。

一方でこちら。

LINEより

かなり癖が強いので、使う場面と相手に限りが出るから、あまり出番はない。Messengerだったら、もっと活用できたのにとも思う。
ちなみに。夫との連絡は、Messenger派。スマホを乗り換えても、パソコンで開いても記録が残るから重宝している。会話の検索や画像を紛失することがない。それに比べLINEはリスクが大き過ぎる。乗っ取られるし、勝手に消えるし、上方盗まれるし… なのにみんな使うのはなぜか分からない。それはさておき。 


親友が使う絵文字は10個

イタリア人たちは、スタンプには興味ない。
あと、絵文字も最低限 気持ちを表現する時に使うだけ。ちなみに、イタリア人の親友から送られてきた絵文字を振り返ってみる。直近の一年で受け取ったのは、僅か10種類だけ。

「😍🥰😘🥺😂❤️👍🏻🤞🏻👌🏻💋」


私はというとこの10倍だ。日本人は、いかにあれこれ装飾をつけて会話しているかが分かる。過去に絵文字だけで会話することもあった。

絵文字を活用しない? 頼らない? イタリアでスタンプは重要ではないのだ。だから、LINEがスタンプをイタリア人に見せつけても、「へぇ〜」くらいの、心を動かされるものではなかった。

中華アプリ WeChatも

LINEより前に、中国の「WeChat」もヨーロッパ進出を目指したが、こちらも伸びなかった。私もダウンロードしたが、もう使わなくなったので削除した。かつて、夫ともこのアプリを使ったことがあるが、Messengerを超える魅力はなかった。


どうすべきなのか…

メッセージアプリは、新たなものがどんどん生まれている。国や地域で使われているものも違えば、属する集団においても使い分けされている。

SMS, iMessage, WhatsApp, Facebook Messenger, Signal, Telegram, WeChat, Line, QQ, Viber, KIK, Snapchat, Twitter DM, Discord…

数多ある中で、抜きん出ることは簡単ではない。

では、LINEはどうすれば良いのか。オリジナルキャラクターのイタリア語バージョンに人気が出なかったのだから、有名キャラクターの導入はどうだろうか。LINEにしかできない特権と言ってもいい。


イタリアでも人気のアニメや漫画キャラクターが、イタリア語付きのスタンプや絵文字になったら、ファンは喜ぶことだろう。このアプリ内だけしか使えないからこそ、グループの集客を狙うことができる。

著作権の面でどうなるかは知らないが、LINEが売りとするスタンプで勝負するのが近道ではないだろうか。ファンは世界中にいるから、相当な数になるはずだ。やはり日本はそこで勝負すべきだろう。


明日は、イタリアで人気のメッセージアプリについて紹介しよう。


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