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【イタリア】つゆが来た!イタリア人にも人気で品薄

イタリアに梅雨はありません。
なので紫陽花を雨の似合う花だという認識はなく、
初夏のものという感覚です。

今回は梅雨ではなく「つゆ」の話。

私が住むのは、16万人のイタリアの田舎街。
ここに日本人はわずか15人しかいません。

日本食材は中国人営む、アジアンスーパーで手に入れます。

需要があまりないので、日本食材はまだまだ少なく、
醤油、味噌、寿司の材料、ラーメン、カレーなど、
定番の味しかありません。


ですが、

先日訪れたところ、待望の商品がありました。



「万能つゆ」


つゆや出汁は、ここ数年でイタリアでも知られるようになりました。

10年前に昆布はすでにあり、数年前にみりん、鰹節
という具合で入ってきて、最近やっと食材が揃いました。

ですが、日本人でも出汁を取らなくなった時代。
イタリアでわざわざ高い食材を買って作ることはありません。
よって、イタリア人にとっても難しい工程でしょう。

多くの日本人は「だしの素」を愛用していると思います。


そんな中、待望の「万能つゆ」。
買わない理由はありません。

ただのつゆではないんです。会社名に期待をしていました。


盛田

何度かお伝えしてきました「盛田」。

名古屋のメーカーですが、私の地元である
香川県の醤油産地「小豆島」のマルキン忠勇を買収しました。

以前こちらで紹介。

ということは、このつゆもソレってことでしょ。

裏側の表示を見ます。

イタリアでは、外国の言語で書かれた商品を販売する際、
裏面に表示を貼り付けます。

イタリア語で、原材料・使い方・成分表・商品の素材(ゴミ分別のため)
などが書かれています。

しかし私にゃ、そんなことはどうでもいいんです。

貼り付けた下にある、現物の日本語表記を見たい。

必ずあの文字があるに違いない!!

高まる鼓動を抑えながら、破らないように慎重にゆっくりと剥がす。



すると、


出たーーーーーッ!!

もうこの時点でガッツポーズです。

私、正解!

思った通り!

最高!

ありがとう!!

感謝しかありません。


えっ、何?って思った方。


当然のことです。


私はこの文字を確認したかったんです。


苗羽


全容をお見せしましょう。

香川県小豆郡小豆島町苗羽


苗羽と書いて「のうま」と言います。

製造所の元マルキン忠勇の住所です。


うぉ〜


イタリアに居ながらにして、郷土の醤油が味わえるだなんて!

幸せです。

買収した盛田にも感謝です。



すぐに食べずにはいられません。

まずは開けて香りを嗅ぐ…
嗚呼、夏の思い出が蘇る。
いざ調理!


小豆島ならやっぱり「そうめん」といきたいところですが、

そんなものはこの街では手に入りません。

つゆと一緒に細めの中華麺を買いました。

想像しているようなそうめんとは違いますが、つゆが味わえばいいんですよ。


私は讃岐人。
熱々の麺を見るとあることをやりたくなります。

丼に生卵を割って、つゆを少したらしかき混ぜる。
そこに、ぐつぐつに煮えている麺を投入!

そう、釜玉です。

薬味?そんなのありませんよ。

ネギ?冷凍があったけど切るのが面倒。
生姜?すでに刻んであったので混ぜる。
ミョウガ?シソ?そもそもあるわけがない!
いいんですよ。主役は「つゆ」なんですから。

一心不乱にかき混ぜる。
鼻息荒く目眩がしそうなくらい。
泡が立ってきたところで、
一気に吸い込む!!!


ズズッズズー‼︎


うまさは脳天まで瞬時に到達し、白目をむきそう。


途中で止めたくてもやめられない!


落ち着けー


続いてはつけ麺として食べます。

つけ麺用の器なんてありませんよ。
今まで出番がなかったから、透明のコップで充分です。
目的はつゆですから。

麺をドボンッ。

甘ッ!甘すぎる。

希釈していませんでした。水を出す…

おぉー!やっと求めていた味になりました。
これこれッ!!


気づいた方がいるでしょうか。実は麺が少なかったんです。

イタリア生活では、パスタを一人前80gしか使いません。
ソースと合わせるのでそれでちょうどいいんですが、

そうめんは規格外だということを忘れておりました。

よくある帯付きのそうめんは50gだそうです。日本では、3束茹でてちょうど良かったので、全然なりない!

野菜?栄養バランス?コレステロール?
そんなことは今は関係ない。
数年ぶりの麺つゆを堪能している快楽が一番です。


この後、毎日食べ続けています。
さすがに、ほかの食材も合わせるほど落ち着きを取り戻しました。

食べていて思ったんですが、 麺をすすらずに食べること12年。
吸う力が衰えてきました。
讃岐人とってうどんは致命的な筋力不足。

もっと頻繁に食べないと!と、新たな麺を食べる言い訳を見つけました。
同時に、煮卵やナスの揚げ浸しなどほかの料理も試していきます。


先日、再びアジアスーパーへ行くと、つゆが残り一本に!
こんな短期間で?

店員さんに訊いてみると、「イタリア人も買っているよ!」とのこと。

予想外の展開です。


日本人が買うのかと思いきや、イタリア人も見つけたのね。
つゆや出汁が簡単に手に入ることを知った人がいる。
甘い料理は彼らにも人気です。どんな風に食べているのかな。

兎に角いい風向き!これで棚に残り続けるはず。



もう一つ。

アジアンスーパーに、最近入ってきたものがあります。


こちら

NATTO

日本に興味ある人には知られています。

しかし店員さん曰く、買っているのは君と僕だけだよと。

食に興味あるイタリア人でも、さすがに手を伸ばさない
恐ろしい食品なのかもしれません。

いくら身体に良くても、ニオイやネバリが勝つから
恐怖心を抱くのは分かる。

職場でもみんなに振る舞おうとしたけれど全員に断られました。

つゆは確定しても納豆の存続は難しいはず。
でも、健康のために食べ続けたい。

次に期待したい食材は、種類豊富なふりかけと明太子。
炊き立ての真っ白いご飯にのせたいなぁ〜

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