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イタリアのカモメはジェラートを食べる

「カモメ」は、「北欧」という文字と並べると、なんだかオシャレに感じるのは私だけだろうか。
イタリアでは、カモメは「ジェラート」とくっつけることができる。なぜならば、ソレを食べるからだ。イタリア人や観光客の楽しみだけではない。カモメもうまさを知ってしまったのだ。その証拠がコレ。



コーンを手に持って食べていると思い浮かべた人がいたら、想像力が豊かすぎる。カモメたちは、誰かが落としたジェラートを食べている。こんな派手にジェラートを落とすだなんて、あまり見たことがない。
イタリアでは、ジェラートは座って食べる。この様子では、ここに腰掛けて食べていたら、手から滑って落ちたと考えられる。まだ溶けきっていない、白と水色のジェラートが確認できるから、カモメたちはすぐに気づいて飛びついてきたところだろう。

実は、この写真、ただ笑えるものではない。


人のモノを狙うカモメたち

イタリアの観光地であるヴェネツィアやローマでは、カモメによる被害が相次いでいる。屋外テーブルで食事をしているテーブルを狙って降下し、食べ物を盗んで飛び去るようだ。子どもや小動物が被害に遭うケースもあるとか。

こちらは、ヴェネツィアの様子。
歩いている人も、食べていると狙われるようだ。


こっちはローマ

羽を広げると約1mもあるから、食べ物を狙っていると分かっていても恐ろしい。この写真、隣の人が普通に食べているのは、慣れているのか気づいていないのか。


カモメ対策

カモメを人に近づけさせないよう対策を行っているようだ。ヴェネツィアでは、市場いちばでの穀物の販売を止めさたり、特殊な音で寄せ付けないようにしたり、カモメが怖がる鷹を放ったり、水鉄砲を使ったりして追い払っていると記事になっていた。水鉄砲の威力は強くないので、血が出るほどではないとか。

南の地域では、2月〜3月にかけて、「カモメに巣を作らせいないようにしてください」とポースターで呼びかけていた。「テラスを綺麗に保ちましょう」「市場の特に魚屋は、後付けを素早く綺麗に」と、繁殖時期に徹底して巣作りをさせないように、みんなで行動することで被害を減らす狙い。


グルメなカモメ急増

私はかつて、海に近い地域に住んでいた。漁船が並ぶ辺りは、入港していることが、カモメの旋回で分かる。夕方には、集団になって帰宅?している姿は異様だと感じたこともあった。

この地域は、曜日毎に燃えるゴミやプラスチックなど出せるゴミの日が決まっている。建物の前に専用の箱に入れて、業者が一つずつ取って、トラックの荷台に投げ入れていく。たまに、箱に入れ忘れた人が、袋のまま置くことがある。これは罰金の対象になるが、平気で置いている人がいる。

箱に入っていないゴミ袋は、カモメの的となる。袋を突き、道路に放り投げ、車に潰してもらい、徐々に広げて中を見ていく。彼らに嗅覚があるかどうか知らないが、ほとんどの確率で、「ムール貝が散乱」する。また今日もかと笑えるほどに、ムール貝のありかを知っている。もしくは、頻繁に食べる人たちを記憶しているのだろう。


こうして徐々に、人間の「美味しい」を味わっているカモメたちは、人間のもとにどんどん近づいてくる。
近年、魚が少なくなったと釣り人が言うくらいだから、カモメだって感じているに違いない。ベネチアやローマの二の舞にならないように、今から対策するべきだろう。

あっ、また今年も向かいの建物の屋上で、カモメが巣作りをしている…

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