【イタリア】サマータイム初日の失敗
幾度となく、「サマータイム制度」を見直されてきた。ついに、2022年廃止と言われていたが、またもや覆り、例年通り時間は変更になった。
サマータイムは、各国日付や変わる時間がバラバラで、ヨーロッパは経度にのっとって大まかに分けられている。ちなみに、イタリア、ドイツ、フランスは同じ時間帯だが、フランスの真北にあるイギリスは1時間遅くなる。
ドイツに住む幼馴染と、イギリスに住む中学時代の友だちと三人で会話をする時に、食事の時間やカウントダウンの挨拶するタイミングが少しズレる。1時間の差でも大きな隔たりを感じることもある。
さて、このサマータイム、イタリアで始まったのは戦前1916年。省エネ効果が期待できるとして導入された。実際、エネルギー消費を抑えられているかどうかの実感はないが、日が長くなることで、一時間先に進めるということは妙案だと思う。
夏場の日の出は、5時頃から明るくなり、日没後9時を過ぎても暗くならない。夜の明るいうちに食事を済ませられるのは、私の中ではちょっとした特別な気分だ。
ちなみに、これが数日前の夕方7時頃
そして、サマータイム初日の夕方7時頃
たかが一時間ではなく、されど一時間
手動で変える機器
サマータイムは、一律で変わるタイミングがある。時期になると、このような表示の画像が回ってくる。
「午前2時に、長針を一時間早めて午前3時にしましょう。」というもの。大体の人は、寝る前に時計を先に進めてから床に入る。
最近の電子機器は、勝手に時間を読み取り変更してくれる。が、あらゆる家電は、登録した時間を刻むことに全うしている。確かにそれでいいんだけど、彼らはサマータイムを知らないので、人間の作った制度は、人の手で時計の針を動かさなければならない。
我が家なら、キッチンの壁掛け時計、暖房器具の表示、腕時計、バイクのメーターの画面などだ。
私は、切り替わる前の晩、職場のみんなに、明日から「時間が変わるょー!遅刻しないようにねー」と、大々的に周知した。夜更かしする同僚にも、明日は早く寝なよ!とまで。
そして、この日の仕事は大繁盛で、夜遅くまで片付けが続き、帰宅したのは午前1時半頃。まもなく、サマータイムになる頃だった。
せっかくならばと、動画を撮ってみた。時刻が変わる瞬間。ちょっと気になるだろう。でも、ここには動画を載せられないので、スクショしてみた。
サマータイム開始直前の「1秒前」
そして、サマータイム「開始直後」
午前2時にはならず、
いきなり3時に飛んだ。
よく見直してほしい。東京が朝の9時から10時になっているのに対し、こちらは1時間進んだ…
そう、この日の私たちには一日23時間しかない。そう考えるとちょっと複雑な気持ちになる。
1時間は、状況によって長くも短くも感じる。出勤前の朝の一時間は貴重だ。また、昼の休憩時間もあっという間に過ぎる。ゲームなどで遊ぶ1時間もしかり。
一方で、病院の待合室の一時間は長い。行列の一時間待ちも状況によって苦痛になる。
子育て中の人にとっては、子どもが寝た後の一時間は貴重なひとときだろう。
サマータイムが始まる時、特に睡眠に影響する。寝る時間が一時間少ない。いつも通り寝ただけなのに、一時間進んでいるから少しハッとする。
でも、サマータイム終了する頃には、もう一時間増えるので、一時間余分に寝ることができるという、結局は±0なのに、いちいち一喜一憂している。
サマータイム初日の大失態
朝、いつも通りに起きたが、時計は一時間進み9:30になっている。それからごろごろし、朝食を摂るか、ランチを作るか迷う時間帯だったので、リッチなブランチを作ることにした。
ワンプレートで食べ応えもあるけれど、あまり胃に負担をかけない料理。今日は、なんだか急に「クスクス」を食べたくなった。ほかに、サラダやアボカド、スティック人参に、豚肉のグリルを乗せて、少しボリュームあるブランチができた。ここにコーヒーやクッキーを合わせよう。キッチンの時計を見ながら、準備をしていった。
そして、テーブルセッティングをしようと思った時、テラスに日が当たりポカポカしていたので、急遽テーブルを出し、ここでブランチすることに。着席した時に、教会から正午を告げる鐘の音が聴こえて、あっ⁉︎
キッチンの時計を1時間早めるのを忘れてた!
それを見ながら料理したと言うことは… 現在の時刻実は、12時‼︎ ギョェー なんと、出勤時間になっている‼︎ やっとスマホの時計を見て確信した。もう完全に遅刻している…
しかも、パジャマでメイクもしていない。汗汗汗…お腹すいた
あれだけ同僚に忠告していたのに、まさか自分がドツボにハマるだなんて!バカバカ
皆、サマータイム初日にこのような失敗をしないために、事前に時計の針を進めている。
スマホがあるから!なんて悠々としていた私は、Spotifyを聴いていたから画面を見ることはなかった。
また、インコの世話をしていた夫も、休日だから全く時間を気にしていない。それどころか、「出勤時間になったとはいえ、食事はしっかりするべき。職場に少し遅れるって連絡しなよ」とまで呑気に言っている。さすが、イタリア人食事の時間を大事にする。
確かにそこまで困らないが、前日の大入りのおかげで、開店準備に時間がかかる。急いでクスクスを書き込んで仕事場へ向かった。
サマータイムに振り回されないように、数日前から時間を変更する人がいた。なるほど、そうすれば遅刻せずに済む。次回秋頃の切り替わりの時に試そう。
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