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【イタリア】ズッキーニは花までウマし

イタリアの住宅地には、小さな八百屋のような食料品店が必ず存在します。我が家の近くにも二軒あり、買い忘れたものや、切らしたもの、素早く買い物をする時に利用します。スーパーに比べて少し高いですが、手軽に買え、近所付き合いがあり、和気藹々とした雰囲気は、イタリアの日常を垣間見れる空間です。

街から車で15分ほど郊外に行くと、街中のお店と少し違うように感じます。今朝は早くに訪れたこともあり、お店の表には冷蔵車が。何かを運んでいる様子。よく見ると、

花のついたズッキーニ

ほんの一時間前まで畑で育っていたズッキーニ。入り口の目立つところに積まれ、手書きの札がつけられました。「採れたての花付きズッキーニ2.90/kg」と。そしてそこには、「nostrale: 私たちの」という文字が。

ズッキーニは緑の太いタイプをイメージすると思いますが、原産国はアメリカ大陸と言われていて、1500年頃にヨーロッパに入ってきたと伝えられています。それから、ローマで品種改良されてできたのが、この縞模様のズッキーニ「ロマネスコ」。よって、イタリアではこれを「私たちのズッキーニ」と呼んでいるようです。もしくは、私たちの地元で "採れたて" という意味にも受け取れます。いずれにせよ、特別感のあるズッキーニになんです。緑色のものより、歯ごたえがあり味もしっかりとしています。

あまりに色鮮やかな花を見ていると、もう目を離すことはできませんでした。袋に詰めて、黄色いブーケの出来上がり!花束っていいですね。しかも食べられるってだなんて最高です!

今、花は満開ですが、一時間経つとゆっくりしぼんでくるとのこと。これで、スーパーに並んでいるものが、収穫からどのくらい過ぎたのか分かるようになりました。変色しても美味しいのですが、新鮮なものは、見た目からも活力を与えられます。


ズッキーニの花料理

春から初夏になるこの時期に出回る花は、揚げたり、詰め物をして焼いたりします。

イタリアで人気の料理人YouTuberのレシピを貼り付けますね。よく似たカボチャの花を使っています。イタリア語が分からなくても、映像で理解できるはずですので、ぜひご覧ください。


先生のフリット

10年前、イタリア語学留学の際に、併せて英語の授業も取りました。担当してくれたのはアメリカ人のヴェロニカ先生。世間話を交えながら、陽気で肯定的な言葉をかけてくれるので、気張らずに学ぶことができました。

先生は、卒業間近のクラスメイト三人を自宅に招いてくれました。そこで料理を振る舞ってくれたのが、シェフであるイタリア人の旦那さん。そりゃもうどれも絶品。中でもズッキーニの花を揚げたものは、未だに忘れることのできない味です。また食べたい!と思い作ろうとしても、未だうまくいったことがないです。

イメージはこの様な感じ。でも、先生のお宅で食べたものは、2cmくらいの幅にカットされたのを揚げていました。

素揚げのような、天ぷらの様な軽さで、バクバク食べていたのを覚えています。


詰めてトースターへ

店員さんに料理の仕方を聴いたら、詰めてオーブンもいいよ!と勧められました。少量のためトースターで挑戦してみることに。詰める食材を調べてみると、「フレッシュチーズ + 塩辛いもの」が最適だと分かりました。一般的なのが、「モッツァレッラとアンチョビ」の組み合わせ。他にも、「リコッタチーズとハム」のように、魚だけでなく肉類との相性も良いようです。

我が家の冷蔵庫を見てみると、アンチョビもハムもありません。しかし、細長くて味のしっかりとした食材がありました。先日買った「カニカマ」これが使える!と閃きました。

中の花弁は取らなくてもいいようです。

花を少し開き、細長く切ったモッツァレッラとカニカマを詰めて、小麦粉をまぶし、卵とパン粉で軽く衣もつけて、暖めておいたトースターへ。15分ほど焼きましたが、花に火はしっかり通っていないけれど、チーズは溶けて少しずつ出てきていました。新鮮だし生でも食べられるので途中で取り出したのがこちら、

カニカマとモッツァレッラの相性はと言うと、こちらも最強!カニカマが主張し過ぎずに、程よいダシを出してくれました。火をあまり通さなかったことで、柔らか過ぎない新鮮な食感も味わうことができました。


残念ながら、長くは楽しめない花。家に飾ることはできなければ、この時期だけしか食べることができません。もし、花に出会えたのなら、旬の味を堪能してください。やっぱり日本人は天ぷらかな〜なんて一人で納得しています。


追伸

子どもインコとズッキーニを並べてみました。小さくてかわいい。

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