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【イタリア】シェフが喧嘩!明日は営業するの?

レストランで働き出して4ヶ月が経ちました。
新たな環境で、素晴らしいスタッフで、
海も見え、毎日喜んで仕事をしています。

ですが厨房では、2人のシェフが口をきかない。
ここ数日、様子がおかしいのです。


シェフは2人いて、
50代の女性と20代の男性。
2人で働いていますが、女性の方は健康の面から、
半日労働の契約となっています。
一方で男性は、毎日 昼・夜と働き続けています。

数日前から、シェフ2人とオーナーが話し合いを行っていて、
男性の方が納得いかない様子。

そして、口数少ない中仕事をこなし、
ホールスタッフも、厨房の空気がおかしい…と。
ホール責任者が「何があったの?」と訊くと、
男性シェフは、「後で説明する」と言うのです。
私もその空気の中、静かに仕事をしました。

そしてなんとか、夜の営業は無事に終えることがでました。

終業後、みんな厨房に集まり、彼が話し出したのです。


「エツコ、君は8月に入ってすぐの日曜日を休んだよね」
「うん」
「誰かに何か言われた?」
「うーん、特に…」
「なぜ僕が休みを取りたいと話したら、ダメって言うんだ!」

しかし、女性シェフは、
「エツコとあなたの勤務時間や内容が違うからよ。」

それは、私もごもっともだと思いました。
あの頃はただ自分の準備さえしておけば大丈夫な状態でした。

しかしここから、彼の怒りが芋づる式に出てきたのです。
「先月、脇の下に痛みがある中僕は働いた。
なのに君(女性シェフ)は、時間になったから帰った。
僕が痛いと知っていて帰ったんだ!」

しかし女性シェフは「"痛い" とは言わなかったから知らなかった」と。

「そして、僕が休むことに対して悪口を言った。僕は脅迫された」と…

「ほかの辞めたスタッフは、君が追い出したんだ!」

さらに、「君は、(ある特定の) 魚の調理方法を知らない」

などと、自分の問題以外のことも付け加え出したのです。

だんだん疲れてきますよね。

ハァ〜


つまり、男性シェフが休日を取れなかったことを発端に、
あらゆる過去の問題を引き出してきたんです。

私が思うに、彼はただ疲れていて、日曜日に休みたいだけなんだなと。

夏の繁盛期に休みなく働くことに疲弊している。

それを、厨房の責任者である女性シェフに、あれこれ付け加えて文句を言ったのです。

そして最後に、「僕は今すぐ辞めてやる!土曜日の営業は
みんなでどうにか乗り越えろよ!」
と吐き捨てて行きそうになりますが、
ここはイタリア。きちんと引き留めて、
話し合うことで買い落ち着かせ、納得させます。

この時のスタッフの冷静さや、反応の仕方は素晴らしいなと思いました。
まぁ、彼が20代の前半で若造というのもあるのかもしれません。
どうなることやらと持ったのですが、みんな結構冷静で、
「大丈夫よ」という余裕さ。


私は、帰る直前に女性シェフのそばへ行き、
「あなたは何も悪くない。誰も辞めさせていない。
辞めた人は、ここに合わなかっただけ。
そして、私はあなたと仕事ができることを心から喜んでいて、
あなたのことが好きで、これからも付いて行く。

私だってもう40ですよ。(こんな時に一つ上にサバを読むw)
日本で若者たちと仕事したこともあり、
運営する立場でもありました。
全てはオーナーの問題だと思います。」

シェフは涙目でした。
隣には迎えに来ていた旦那さんも笑顔で聴いています。

これまでシェフから受けた愛情をそのまま返したつもりです。
それほど、シェフには寛容に受け止めてもらえたのです。

そして私たちは笑顔でおやすみと挨拶をしました。



翌日の営業は…

今日はどのような空気なのか。
恐る恐る職場に向かいました。


何もなかったかのような、いつもの笑顔で「Buongiorno!」

明るく返してきます。
2人とも朝からしっかり仕事に来ていて、
何もなかったかのように私に話しかけてきます。

な〜んだ。

「昨日の僕は、マイナス思考の塊だった。」と弁解をしていました。

その割には言っていけないことまで口走っていたけれど…


大ボスの采配に問題が…

一番の問題は、大ボスの采配だと思います。

当店は二号店。全てを仕切っているのは、
一号店のオーナー。彼が大ボスです。

全員の面接と採用は彼が行い運営しています。

大ボスが、みんなが喜んで働ける環境づくりを行なっていないこと。
アリのように毎日働かせ、休日を余分に取らせない、
いや、取れない状態にしているのです。

私には契約時に「家族との時間も持つべきであり、
幸せに働かなければならない。」と笑顔で言ってくれました。

おいおい、話が違うじゃん。

確かにみんな、週一の休みで回している。
どちらのお店もスタッフの数が減り、ギリギリのところで
毎日を乗り越えている。

その皺寄せが、男性シェフへとのしかかったと言ってもいいくらい。

大ボスに物申す

経営者たるものや、スタッフの幸せを第一優先すべき。

全員が文句を言われず休める環境で、
十分に休暇を取れる体制にしてください。


幸いにも、超過労働は毎日グループチャットに
記録しているので
全て計算されて支払われます。

給料は、私に取っては悪くありません。
そして、仕事内容も環境もとても良いです。

みんなが幸せに働ける職場になればいいなと
心から願います。

大ボスはいつ気づいてくれるのか…

2023年。スタッフの思考に標準を合わせて改革することで
お店の運営もさらに前進すると私は信じています。

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