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【イタリア】日本食店 スマホの次に多い忘れ物

日本食レストランで働いて4年が過ぎました。すっかり接客にも慣れ、電話の受け答えもし、自然な会話をすることができています。

イタリア人の寿司や日本食への興味は年々強くなるとともに、言葉や知識をわざわざ伝えてくる人も増えました。以前は、数ヶ月に一人だったのが、一月に二人はいるくらい。アニメや旅の話が多く、日本には好意を持っている人ばかりだと実感します。


さて、今日の話題「お客さんの忘れ物」

最近、「忘れ物探知能力」を授かることができました。テーブルを一瞬見ただけで「ザワッ」とします。忘れ物があるかどうか瞬時に感じられるようになったんです。

おそらく接客を担当している人は共通の感覚かも知れません。何がどう違うのかというと、いくつかのポイントがあります。

忘れやすい状況

  1. 家族で来店
    子ども連れだけではありません、両親と供に来た場合も含みます。急いでいたり、会話に夢中になったりして、確認をせずに帰っていきます。

  2. お絵描き
    子どもたちは、料理が来るまでの間や食べ終わった後に絵を描いたり、色を塗ったりします。その時に使った、ペンを一本忘れることはよくあります。昨日はなんと新しいノート一冊を忘れていました。

  3. 散らかり
    食べ終わったお皿やお箸などが雑然としているテーブルには忘れ物が潜んでいます。自分のものがあっても目が節穴になってしまうようです。

このように、いくつかの原因が重なり、忘れ物が発生します。ですので食べる雰囲気と性格を見ながら、忘れそうだなと予想しています。そして席を立ったらすぐに片付けに行き、確認すると大体あります。テーブルの下に落ちていることも少なくありません。


では、どんな物を忘れているのか。

忘れ物ベスト3

第3位 衣類

大人の服がほとんどです。春や秋などの季節は、ジャケットを着忘れる人がちらほら。食べて満たされると温まり、持って帰るのを忘れるようです。帽子やスカーフも座布団の下に埋もれてしまうことも。常連さんなら保管しておいて、次回に渡しますが、そうでない場合は、一定期間置いても取りに来ることはほぼありません。

第2位 スマホ

月に一度は忘れる人がいます。子どもにスマホで映像を見せ、テーブルの端においたままになる人もいますし、お皿やコップの隣に溶け込んでいる場合も。会話が弾むと、テーブルを見直すことなく席を立つようです。

皆さんもちろん必ず取りに来ます。先日も常連さんが忘れました。連絡しようにも電話がココにあるのでかけられない。そしたら、Fbで検索して、家族の誰かに連絡しようとしていたところスマホが鳴ったので、お店にある旨を伝えました。
ほとんどの人が気づいて戻って来ます。また、窃盗が横行するイタリアですが、お客さん同士が盗む事件は発生したことはないです。


さて、ダントツの1位は、この2年で急上昇したアレです。


第1位 消毒ジェル

全てお客さんの忘れ物


消毒するようなり2年。必ず手を洗う人とこれで済ませる人の両極端です。もちろんお店の至る所に置いています。ですが、自前のものをバッグから取り出し、同じテーブルの人にも共有したまま、バッグに戻さずにそのままになるケースが多いようです。

しかも、どのボトルも半分以上残っているんです。保管して置いても、誰一人取りに来ることはありません。ましてやボトルが増えて困るほどです。

マイボトルを使う理由は分かります。物によって香りが強かったり、独特だったりすると食事の際に邪魔になります。だったら、後を引かないお気に入りのメーカーを使いたくなります。ですが、こだわりの一本を忘れてしまうようです。

数年前まではなかったもの。消毒する生活に私たちは慣れていないので、つい忘れがちな小物となりました。忘れることを想像すると、ほどほどの物がいいのかもしれません。

話好きがネック

一二も二にも、イタリア人はよく喋るので忘れ物をしているんではないかと感じます。集中して話をしたり聴いたりするので、グッと視野が狭くなります。気になる話題をしながら席を立った場合は、忘れる確率がグググと上がっていく!だから、子どもだけじゃなく大人でもよくあるんです。

ちなみに我が夫は、よくバッグを忘れます。無難な黒にしているのが問題でしょうね。どのお店にも溶け込む。しばらくしてカギがないと分かり、鞄を忘れたことに気づくんだとか。

私は用心深いので、何度も"持ち検" をします。サイフ・スマホ・カギ。私の場合「サングラス」もリストに入れなければ…詳しくはこちらの投稿をぜひご覧ください。


では最後に店員として一言、
お帰りの際は、あなたが代表として振り返って確認してみてください。もし忘れ物を発見したらラッキー!サプライズの瞬間です。それを差し出した時には必ず感謝されるでしょう。ヒーローやヒロインになる可能性も。案外気持ちの良いもんですょ!ぜひ。

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