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バタバタでも昼食はイタリア式ゆっくりで

私たち夫婦は、あまり会話する時間がない。彼が出勤する時に私は寝ていて、私が帰宅すると、夫は既に夢の中。でも、一日に最低でも二度は電話するから、今日の予定や連絡事項は把握している。また、休みの日も、私は月曜日で、夫は土日とバラバラ。外出する機会も都合を合わせないといけない。

そんな中、たまに夫が月曜日に休みを取ってくれる。彼にとっては三連休になるから浮かれている。

今回は、予定を決めて片っ端からこなしていくと決めた。目標があれば、ダラダラ過ごすことなく、スタンプラリーのように、各所で用を済ませて、サッと出る、そして次に向かう…という繰り返しだ。

朝は、日用雑貨店へ行き、電飾を買い、そのままデパートでセール品を見るもピンと来ず。近くの服屋で、デニムを1700円くらいで手に入れて得した気分。スポーツ用品店では、仕事用の動きやすいスニーカーを探しに行ったが、棚卸し中だったため店内は混沌とし、2分という滞在時間で後にした。
家に帰って昼食をするには時間がもったいないと、外で済ませることに。安いから行こうと、連れて行ってくれたのが、海辺のカフェ。

少し風が冷たいけれど、日差しはあったかいから、コートを着てでも外で食べたいと言った。

久しぶりのデートにワクワク。パスタ一杯食べたら次の目的地に行こう!と話していたが、だんだんポカポカ陽気に誘われて、イタリア式の昼食モードに入っていった…

まず、注文を決める。本日の料理の中から選び、料理を待っている間に、小さなカゴに盛られたパンで空腹を落ち着かせる。到着が12時半ごろと、早めの時間だったので、すぐに料理は運ばれてきた。
夫はライムの効いたカルボナーラ。私はパッケリという太く丸いつるんとしたパスタに、蟹のソースを和えたもの。

もう、この蟹が、柔らかくて旨味がたっぷり詰まっている!思わず夫にも、身をいくつも渡し、美味しさの共有。殻もバリバリ噛んでたほど、隅々まで堪能した。家では作らない料理だから、また食べに来たいと思わせる逸品だった。

これで終わるはずだったが、ずっといい香りが漂っていた、フリットもつい注文してしまった。やっぱり、野菜も食べなきゃとサラダも追加。

待っている間に、他愛もない会話をして夫婦の時間を過ごしていた。周りにいる人がどーのこーの。この前の、あの話の続きが云々などと話し合っていると料理がやってきた。

写真には収めなかったが、それはもう、カラッと揚がったエビとイカのフリットは美味。エビの頭も尻尾も残したくないくらい新鮮な食材だった。

もう行こうと誘ったが、店員さんに勧められたティラミスを食べようと夫は提案してくる。心を鬼にして、一つだけとお願いした。私は、甘いものとコーヒーは一緒に楽しみたい派なので、追加で注文したがまだ来ない。

その間に、夫はどんどんティラミスを食べる。待ってと言ってもスプーンが止まらない。「なくなる前に、君も食べて」と言われても、コーヒーがないから終わらせたくない。すると夫は、「コーヒーを持ってくるタイミングで、ドルチェは終わったと思われるから、ティラミスのお皿は下げられるょ。」と。そう、イタリアでは、順番に出す習慣があるから、コーヒーは食べ終わったあとに来る。それでも良いの!と、待ての状態で残りのティラミスを凝視しながらコーヒーを待ち構えていた。
すると、スタッフの女性が持ってきてくれた。私にコーヒーを差し出した手で、近くのティラミスのお皿を下げようとするから、すぐさま、死守。その横で夫は笑っている。ほら言った通り!と言わんばかりの目で見ている。私は、待ちに待ったコーヒーとのハーモニーに有頂天。鼻の穴を膨らませて喜ぶ私を横目に、また夫は笑ってる。

こうして、全てを堪能した私たちのランチは、約1時間半も費やし、総額約6700円になってしまった。安いランチのはずが…。でも、たまにはいいじゃーん!楽しかったしー!と、誰かに作ってサービスしてもらう心地よさを満喫した。


それから再びスタンプラリー再開!

カフェ近くにいるインコを見に行った。そして、DIYショップで返品をし読書灯を購入。ショッピングモールでセール最終日の服屋を何軒も覗いては試着し、戻して、また試して、カゴに入れるという作業を黙々と行った。私はニット3枚。夫はTシャツ2枚。なぜかセールじゃないパーカーを1つ購入。合計約7500円。服選びは、時間も体力も消耗する。この時点で、お昼のランチは完全に消化し切っていた。そこに夫はまた、コーヒーを一杯飲んで、英気を注入していた。

帰宅してから、夫は購入した電飾を設置。ライトの色が明るすぎるだの、白色がいいだのと言いながら、ぶつぶつ作業している。私はというと、家の中をササッと片付けし、夕飯は、圧力鍋に食材をぶっ込んで煮込みをやってもらって、あっという間に完成。

食べた後の記憶はないほど、よく疲れよく眠れた。
久しぶりに、充実した夫婦の一日となった。

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