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【イタリア】週末に207人もの来客

夏の繁盛期を終え、順番に遅い夏休みを取っていきます。
ホールも厨房も人が減っている状態です。

そんな中、最近の日中はまるで夏のような暑さ。
海沿いに人が溢れて、まだ秋を認めたくない人が、
最後の海水浴を満喫しています。

また先日、海辺に新たなショッピングモールが開店したことにより、
道も混雑するほど賑わいを見せています。

元々、造船所だった建物を改装し、
下を商業施設に、上を住宅へと生まれ変わりました。

また、街の至る所でイベントが行われており、
こんなにも人がいるのかと思うほど、
あっちもこっちも賑わい、活気があると感じるほどです。


レストランも目まぐるしい

街に人手が多いと、レストランも同じように人が押し寄せます。

スタッフが足りない中、予約だけでも既に50人。
厨房には、シェフと助手と新米の私しかいません。
どうなるのかと不安になっても仕方がない。
とりあえず、仕込みを行なって、万全の体制で挑むのみ。


金曜日の夜からざわつき始めました。
週末分の材料を注文する必要があるからです。

足りる?余分に買っておこう!
下準備しておく?先に分けておこう!

など、事前の準備も多めに行います。


私の「ライン」という、自分が行うと作業も
全て揃っているか、何が必要がリストアップします。

それを土曜日の午前中に仕込む必要があるんです。


ちなみに、私のラインで必要になったものは、

・ティラミスのクリーム
・ヨーグルトムース
・チョコレートソース

・オムレツ
・マグロのたたき
・燻製ニシンのオイル漬け
・アンチョビソース
・アイオリソース
・リコッタチーズ
・生食用の酒と鮪のカット
・赤玉ねぎの花びら煮
・にんじんソース
・赤カブソース
・ポン酢(醤油と出汁とレモン等で手作りします)

さらに、シェフらが使う、
・トマトソース
・魚介ソース
・ムール貝の下準備
・フリット用の野菜を切る
・ミニトマトを半分に切る…


やるべきことは、ホワイトボードに全てを書き出し、
課題をどんどんこなしていきます。
一つ一つの作業も丁寧にしたいけれど、出際の良さを求められている。
二度手間にならないように、効率よく作業を行っていきます。

全てを完璧にしてお客さんを迎え入れたいけれど、
時間は限られていて間に合わない。
営業中も同時進行で行っていきます。



夏のような暑い日は、
生で魚介を食べる人がドッと押し寄せます。
注文が入ってから盛り付けるんですが、
やってもやってもなかなか終わりません。

そのほかに、シェフらのサポートに入ります。

お皿を並べ、盛り付け、デコレーション、
グリル、魚介や煮込みを準備するんですが、
今どの何の作業が必要なのか、
どのように行うべきか混乱していきました。

今回、初めてシェフのアシスタントを行ったので、
勝手が分からずに棒立ちになったまま、
声をかけるタイミングも分からず、固まってしま。。。

それでも、何かをしないと前進しない。
sì か no で答えるような質問をし、端的に聴き出します。

エビの下処理は?
イカは小さく切る?
マグロの火加減は?
生野菜?それともオーブン焼き?


料理は、テーブルごとに同時に出していきます。
ほかの料理と足並みを揃える必要があるんです。

シェフは、
パスタを茹でようか?
あと何分でできる?
オーブンのタイマーはあと15分です!
なんて声を掛け合いながら行っていきます。

そんな中でも、注文はどんどん流れてきます…

いつ抜け出せるんだ!
と、思いながらたた一つずつこなしていく…


怒涛のような時間は、約2時間半で終えます。
あともう少し、もう少し、と励ましながら、
着実に前に進めていく。。。




この週末は、昼も夜もずっとこの状態でした。
始まる前の静けさと、終えた後の清々しさ。


滞りなく無事に出せたことで、シェフはみんなに抱擁していきます。
嬉しかったんでしょう。大袈裟だよ!なんて言いながら、
問題なく完了できたことをみんなで喜びました。

そして最後に、冷蔵庫の掃除。

食材の消費期限や状態を確認。
食べてしまうべきものや捨てるものを仕分ける。
棚を拭いて、最後にモップをかける。

振り返った時には、アレ?ものが少ないけれど、
何か忘れてる?と思うほど、ガラッガラ。

土曜日の朝にあんなに仕込みしたのに…
全て使い切りました。
これも気持ちがいいもんです。


今、日曜日の夜。寝ようとする寸前に書いています。

そしていよいよ明日は、2週間ぶりの休み。

「何もしない!」と言い切りたい自分と、
「あちこち買い物ややるべきことを済ませたい!」
という両方が戦っています。

さて、どっちになるのか。
そして、note を投稿する余裕はあるのか。
ではまた報告します。


怒涛の日々でも、同僚はドルチェを試していました。

ホワイトチョコを使ったカップケーキ。
濃厚で胃にはガツンとくるけれど、たまらなく美味しい。
毎日食べて、甘いもので乗り越えた週末でもありました。

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